[最新プロセッサー事情]単体DSP考察…ハードルは高いが楽しめる

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“単体DSP”の一例(グラウンドゼロ・GZDSP 4-8X)。
  • “単体DSP”の一例(グラウンドゼロ・GZDSP 4-8X)。
  • 『グラウンドゼロ・GZDSP 4-8X』のチューニングアプリでの操作画面。
  • “単体DSP”の一例(ロックフォード フォズゲート・DSR1)。
  • 『ロックフォード フォズゲート・DSR1』のチューニングアプリでの操作画面。
カーオーディオシステムの中において“信号の制御”という重要な役割を担う“プロセッサー”。その、最新事情を多角的に解説している当短期集中連載。その第7回目となる今回は、“単体DSP”についての考察をお届けする。

これを導入するメリットから、タイプ違い、さらには選び方のコツまでを、じっくりと説明していく。

◆導入のハードルは低くはないが、楽しみ甲斐が大きいことが最大の利点!

さて、“単体DSP”とはその名のとおりに、デジタル・シグナル・プロセッサーとしてのみ機能するユニットだ。基本的にはその他の機能を一切持たず、ただただ音楽信号をコントロールすることだけに徹する機械、というわけだ。

なお、“単体DSP”を導入する際には必ず、合わせて外部パワーアンプも導入しなくてはならない。信号の制御は、パワーアンプで増幅する前の微弱な状態のままで行いたいので、信号の増幅はその後に実行するしかないからだ。ちなみに、使用しているメインユニットがライン出力を持っていない場合には、内蔵パワーアンプで増幅された後の音楽信号を入力するしかないのだが、その際にもその増幅された信号は“単体DSP”の内部で一旦微弱な状態に変換され、制御される。そしてその後に再び増幅し直されることとなる。

ところで、“単体DSP”に入力された音楽信号にはまず“クロスオーバー”が掛けられる。スピーカーシステムが2ウェイならば高域と中低域の2つに、スピーカーシステムが3ウェイならば高域、中域、低域の3つに帯域分割される。そして帯域分割されたそれぞれの音楽信号は“単体DSP”の内部で個別に制御され、以後、スピーカーに届けられるまで別回路で伝送されることとなる。なので、用意すべき外部パワーアンプのch数は、スピーカーユニットと同じ数だけ必要となる。

というわけで、“単体DSP”を使うという選択をすると、システムが大がかりになりがちで、コストもユニットインストールの手間も増えていく。つまり“単体DSP”は、ハードルの高い選択肢となるのだ。

しかし、楽しみ甲斐は大きい。好きなパワーアンプを選べるし、とことん高音質を追求したり、自分なりのこだわりのシステムを構築できたりもする。ここが、“単体DSP”を選択する最大のメリットだ。

◆リーズナブルかつ小型なモデルも続々登場! バリエーションはますます多彩に。

続いては、“単体DSP”にはどのようなタイプがあるのかを解説していこう。“単体DSP”は今やバリエーションが豊富だ。ニーズが一層高まりつつあるので、結果、各社からさまざまなタイプがリリースされている。

トレンドとして注目すべきはまず、リーズナブルな小型モデルが増えてきたことだ。かつては、“単体DSP”を使うということはすなわち、ハイエンドシステムを構築するということを意味していたが、今は、手軽に導入できる“単体DSP”も増えてきた。なおそういったタイプの“単体DSP”を使う場合には、組み合わせる外部パワーアンプにもリーズナブルな小型モデルを選ぶと、案外に手軽にかつコンパクトにシステムを構築できる。

その一方で、超ハイエンドなモデルも出現している。高級パワーアンプに匹敵するような高額モデルや、複数台使って性能を拡充させていこうとするシリーズも出ている。上にも下にも、製品展開は拡大傾向にある、というわけなのだ。

ところで、昨今の“単体DSP”は、デジタル入力を備えたモデルが多くなっている。というのも“単体DSP”は、信号をデジタル状態で制御するユニットであるので、デジタル出力を持つソースユニットと組み合わせる際には、その信号をデジタルのまま入力したほうが状況をシンプル化できる。その一方で、手頃であることを優先させるタイプのモデルでは、デジタル入力端子が省かれることもある。このように、入力端子のタイプ違いも存在している。

◆手軽なモデルでも高機能。背伸びをし過ぎる必要はない!

次いでは、“単体DSP”の選び方のコツを解説していく。まず問題となるのは予算だ。

もちろん予算が許すのであれば、高級機を選んだほうが高音質が望めたり、より細かな設定が可能となったりする。ただし、リーズナブルなモデルを選んでも、搭載されている機能のタイプ&数には大きな違いはない。つまり、できることは概ね同じだ。なので、背伸びをする必要はない。予算に応じて手の届くモデルを選んでおけば、どれを選んだとしても“単体DSP”を導入した利点をしっかりと享受できる。

ただし、DAPやスマホをデジタル接続させたい場合には、デジタル入力が備わったモデルを選びたい。そして、“ハイレゾ”音源を楽しみたいと思ったときには、それへの対応も確認しよう。DAPを使うこと、もしくは“ハイレゾ音源”を聴くことが前提となっている場合には、それらへの対応のチェックはマストとなる。

サイズも見るべきポイントとなる。簡単にインストールすることを重んじるのであれば、小型モデルを選んだ方が有利だ。

また、チューニングを自分でやってみたいと思うなら、「チューニング操作を何で行えるのか」も確認しよう。パソコンのみという機種が多いが、その場合は気軽に操作を行い難い。対して、スマホやタブレットで操作できる機種もある。そうであると、操作をしたいと思ったときに気軽に調整を行える。クルマをどこかに停めさえすればすぐにチューニングできる。パソコンの場合は、そもそもパソコンを車内に積んでいない場合が多く、接続にも多少の手間が掛かる。一方、スマホやタブレットで調整できるものの中にはワイヤレス接続が可能なモデルもある。その場合には接続の手間はほぼゼロだ。

ただ、パソコンで操作することにもメリットがある。1画面で全体的な状況を把握できたりもするので、プロ視点で見るとむしろ操作性は高かったりもする。このあたりはお好みで選べばOKだ。

今回はここまでとさせていただく。次回は具体的な機種名を挙げながら、“単体DSP”のタイプ解説を行う予定だ。お読み逃しなく。

最新“プロセッサー”事情、全方位解説! Part 7「“単体DSP”考察」

《太田祥三》

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