パナソニック津賀社長「テスラとの関係は極めて良好だ」…オートモーティブは赤字の見通し

パナソニックの津賀一宏社長
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パナソニックは5月9日、2019年3月期連結決算を発表した。それによると、売上高が8兆27億円(前期比0.3%増)と8期ぶりに8兆円を超え、営業利益は4114億円(同8.1%増)、純利益は2841億円(同20.4%増)と増収増益だった。

しかし、決して喜べるものではない。というのも、すべてのセグメントが減益で、年金制度の一部見直しと資産売却などの一時利益により増益を達成したからだ。期待をしていた車載事業も収益を悪化させた。

津賀一宏社長も「車載事業を中心に成長を目指してきたが、増収は達成したものの、利益が当初見通しを大きく下回った。開発費が大幅に増加し、円筒形車載電池では、生産の急激な拡大によって、さまざまなリスクへの対応力が不足し、利益が伸び悩んだ」と話す。

その大きな要因の一つは言うまでもなく米テスラだ。『モデル3』の量産がなかなか軌道に乗らず、採算ラインと見られる週産5000台の達成時期を2度にわたり延期、そのたびにパナソニックも収益の下方修正を迫られた。また、モデル3の生産が急激に増えると、今度はパナソニックのほうが対応できなくなってしまった。

その結果、テスラ向け電池事業は赤字を大幅に拡大。そのうえ、テスラのイーロン・マスクCEOからモデル3のボトルネックになっているのはパナソニックだとツイッターでつぶやかれてしまった。

「テスラとパナソニックは単なるサプライヤーではなくてパートナーであるという認識で一致している。いわば一種の一蓮托生で、お互いにいいたいことを言っていて、それがポロッと出た。確かにその時にはパナの電池がボトルネックであったかもしれないが、その前はテスラのものづくりがボトルネックであった」と津賀社長は話し、こう付け加える。

「私自身もイーロンとのコミュニケーションをできるだけ密にする必要があると認識しており、変な誤解を生むことはパートナーとしても避けなければいけないので、3カ月に1回アメリカに行って忌憚のない話をしている。テスラとの関係は極めて良好だ」

ただ、テスラ向け車載電池事業の追加投資については、白紙の状態で、まずは不具合を直してフル生産の状態に持って行くことを優先する。テスラが新モデルを投入した場合には、中国・上海の工場も含めて投資の相談をするそうだ。いずれにしても、それはしばらく先の話と考えている。

また、決算会見ではトヨタ自動車との住宅事業統合についての質問もあった。話を持ちかけたのはパナソニックのほうで、トヨタが二つ返事で話に乗ってきたとのことだ。

「トヨタとは電池事業を含めてさまざまな話をしているなかで、今回のスキームについてはわれわれから提案したものだが、トヨタからも同じような提案をしたかったという話が出て、一気に盛り上がっていった」と津賀社長は話す。

両社は20年1月に共同出資会社を設立し、その傘下に100%子会社のパナソニックホームズやトヨタホーム、ミサワホームが入る。パナソニックの2020年3月期の業績見通しは住宅事業が抜けた結果、売上高7兆9000億円、営業利益3000億円、純利益2000億円と減収減益となる。オートモーティブ事業については、売上高が4%増の1兆5770億円となるものの、営業損益は悪化して150億円の赤字を見込んでいる。パナソニックの業績は厳しい状況が続きそうだ。

《山田清志》

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