ロボットプラットフォームを提供するスピーシーズ(東京都武蔵野市)は、スリムで繊細な動きの等身大モーションフィギュア・プラットフォーム『高坂(こうさか)ここな』をロボデックス2019(1月16~18日、東京ビッグサイト)で発表した。
高坂ここなは、各種ビジネスシーンで使用できるように、人と同等な寸法・外観を備え、感情を『仕草』で伝えられるロボットとして開発された。
フィギュア部の身長は約155cm。同種のロボットではおそらく最多の関節数37自由度を備える。背後からフィギュア本体を支えるフィギュアドライブ部にも3つの自由度(前後、左右、上下)を持たせた。
高坂ここなは、ユーザーの要望に応じて動きや音声などのコンテンツやアプリケーションプログラムを制作でき、外観や外装もカスタマイズできる。たとえば人気の高い3DCG制作ソフト「MikuMikuDance」でモーション作成が可能だ。LINUXベースのMOFI-OS ver3.0を搭載し、PCやスマホなどからHTTPで操作できる。ホストとの接続にはWi-FiやLANなどを用いる。多くのフィギュアや機材を一括して制御することもできる。
スピーシーズによると、従来型のロボットはサーボモーターの大きさと重さ、モーターの発する音がネックで“美しい動くフィギュア”は実現しにくかった。スピーシーズではその課題を解決するための技術を開発、特許を4件国際出願している。
今回発表した高坂ここなでは、新たな特許技術として、美しい外観と関節を構成する方法やモーターの配置と回転力による駆動力の伝達方式(リモートモーター方式)で特許を取得したという。それにより、入手が容易でメンテナンスがしやすい一般産業用サーボモーターを用いて、関節部分にサーボモーターを内蔵する従来型ロボットでは実現しにくかった、スリムな少女型の体形も実現できた。
16日から高坂ここなの販売受注を開始すると同時に、高坂ここなを用いたプロフェッショナルエンタテインメントシステムの受注も開始した。価格は、標準外装とシステムソフトウェア込みで2000万円(税別)、オプションでフィギュアドライブ、骨格や外装のカスタマイズも受け付ける。外装のカスタマイズを含むレンタル等も検討中だ。
参考
関節自由度:37自由度
頭部…3軸(水平旋回、左右傾き、前後傾き)
腕…7軸×2本(肩回転、肩開き、上腕回転、肘、手首×3)
足…6軸×2本(もも前後、もも回転、開き、膝、足首×2)
腰…3軸(水平旋回、左右傾き、前後傾き)
上半身…2軸(水平旋回、左右傾き)
フィギュアドライブ部…3軸(ステー上下、ドライブ前後水平移動、ドライブ左右移動)