【JNCC 最終戦】北米からの刺客をも打ち破り、渡辺学が2018年チャンピオンに

チャンピオンに輝いた渡辺学
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日本最大のクロスカントリーレースJNCCも、いよいよ最終戦。同シリーズ最高の人気を誇る爺ヶ岳スキー場は、紅葉に染まり、500名以上ものエントラントを集めた。

最終戦だけのスペシャルとして、例年本場アメリカのGNCCからゲストライダーが派遣されるが、今回はコースタルレーシングのクレイグ・デロングが来日。同レースシリーズで小排気量スペシャリストとして活躍するライダー。また、さらにこのAAGPをわかせたのは日本のモトクロス界からの大物のエントリー。最高峰クラスの元チャンピオン熱田孝高に、若手筆頭の能塚智寛らが会場入り。エントリーリストには、今年のチャンピオンを決めた成田亮の名前もあったが、あえなく都合あわず参戦を見送った。

これらを迎え撃つのは、王者小池田猛と、ここまで2連勝を続けている渡辺学、そして鈴木健二ら日本のクロスカントリーライダーである。そして、小池田と渡辺のランキングは渡辺1位・小池田3位であれば渡辺が逆転チャンピオンという白熱した状況でファイナルラウンドを迎えた。

下りをつかった短めのスタート、定評のあるBetaコンビのうち齋藤祐太朗が飛び出すものの、イン側をしめた渡辺がホールショットに。オープニングラップは、これに小池田と鈴木が食らいつく展開であった。2周目、小池田が渡辺を指してトップへ。このままでは、渡辺が競り勝ったとしてもタイトルは小池田に決まることになるという膠着状態が続く。

渡辺と同じヤマハに乗る鈴木は、明確に渡辺と小池田の間に割って入り渡辺にタイトルを獲らせようとする作戦を敢行。渡辺が再びトップに立って小池田を引き離しにかかるなかで、鈴木は小池田を猛追。まさに小池田包囲網がしかれる爺ヶ岳であった。小池田は、折からの負傷のせいかタイムを少しずつ落としていく状態に。渡辺には、チーム員から常に小池田とのタイム差を知らされているという盤石さ。緊張状態での5周目、ついに小池田を鈴木がとらえ、渡辺にタイトルが見え始める。

小池田は、そのままペースが上がらずに7周目でリタイアを喫することに。

しかし、そのレースに熱は冷めやらず中盤から気を吐いてきたのは、スタートで出遅れてさらにペースをあげられなかったデロングであった。渡辺や鈴木がペースを若干おとして13分台にいれていくなかで、7周目からデロングは猛スパート。8周目には12分16秒と、渡辺より1分弱早いスピード、2番手を走っていた鈴木をあっさりパスして渡辺を猛追する。鈴木は「一瞬ついていこうと思ったけど、ウッズのスピードは驚異的すぎて、無理だった」と語る。

グイグイと差が縮まる渡辺とデロングだが、ファイナルラップの12周目、デロングの息も切れたかペースを落とし、渡辺が逃げ切り優勝。そして悲願のタイトル奪取を決めた。2015年以来、実に3年ぶりの頂点。

渡辺は「最低でも1位にならないとチャンピオンは獲れないとわかっていた。GNCCのゲストがいつも速すぎて、僕が1位になれる可能性も少なくて…チャンピオンになる線は綱渡りだったと思う。でも、家族やチーム員が協力してくれて、すべてがうまくまわってチャンピオンを獲ることが出来た」と安堵。仕事の忙しさ、後進の育成の多忙さ、渡辺をとりまく2018年の環境はJNCCに集中できるものとは言いがたかっただろう。そのなかで、この爺ヶ岳に関しては事前練習・テストも現地に赴き3時間はかけたという入れ込みよう。価値のあるタイトルに、惜しみない拍手が会場を埋め尽くした。

《稲垣 正倫》

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