【スーパーフォーミュラ 最終戦】鈴鹿タイトルマッチレースはじまる…キャシディらランク上位3人を中心に激闘必至

ランク首位の#3 キャシディ。
  • ランク首位の#3 キャシディ。
  • ランク2位の#1 石浦宏明。
  • ランク3位の#16 山本尚貴。
  • 左から石浦、キャシディ、山本。
  • 今年のSF最終戦はWTCRとの併催。
  • 金曜トップタイムの#19 関口雄飛。
  • 金曜2番手タイムの#36 中嶋一貴。
  • 金曜3番手タイムの#20 平川亮。

2018年スーパーフォーミュラ最終戦(第7戦)「第17回JAF鈴鹿グランプリ」が26日、走行初日を迎えた。金曜フリー走行(専有走行)の首位は関口雄飛。また、夕方には自力戴冠の権利を有する3選手が共同会見に臨み、決戦に向けての意気込み等を語っている。

近年は2レース制での開催が続いていたスーパーフォーミュラ(SF)の最終戦だが、今年は1レース制(決勝250km)。最大の焦点は、もちろん今季の“日本一速い男”が誰になるか、である。ドライバーズチャンピオン争いは以下の5人に可能性が残っての鈴鹿決戦となった。

29点/#3 N. キャシディ(KONDO RACING/エンジンはトヨタ)
25点/#1 石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)
24点/#16 山本尚貴(TEAM MUGEN/ホンダ)
17点/#19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)
17点/#20 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)
※シャシーは全車「ダラーラSF14」、タイヤは全車ヨコハマ。

最終戦は優勝者にドライバーズポイントのボーナスがあり、それを含めて決勝1~8位の選手には13-8-6-5-4-3-2-1点が与えられる。ポールポジション獲得でドライバーズポイント1点加算というのは通常と同じなので、今回の最終戦は個人最大で14点獲得が可能だ。

上記5人のタイトル候補のうち、29点で首位のキャシディはもちろん、25点の石浦、24点の山本までは自力戴冠の権利を有する(ただし山本は、予選でキャシディがポールを獲得した場合は自力戴冠権が消える)。17点で並ぶ関口と平川は最終戦の優勝が王座獲得のための最低条件であり、その場合も他力が必要になる(ポイント面はすべて手元計算)。

金曜日はフリー走行が14時から1時間実施された。曇天気味のドライコンディションのもとで一番時計を刻んだのは#19 関口。タイムは1分38秒403で、ソフトタイヤでマークしたものと見られる(ドライ路面用タイヤはソフトとミディアムの2種)。

2番手タイムは今年のルマン24時間レース勝者である#36 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)。そして3番手には#20 平川が続き、他力本願ながらも王座獲得の可能性を残すIMPUL勢コンビの関口&平川が1-3という出足になった。あくまで参考タイムによる順位ではあるが、自力王座圏内にいる上位ランカー3人に対し、『俺たちもいるぞ』という無言のアピールをした格好だ。

自力王座圏内の3人は、#3 キャシディが8位、#16 山本が9位、#1 石浦が11位(出走19台)。繰り返しになるが、もちろん参考タイム&順位である。ここで興味深いのは、3人ともそれぞれのチームメイトの方が順位的に上だったことだ。各陣が何を主眼にしてメニューを組み、進めていたかは分からないが、5チームに数字的可能性が残るチーム部門タイトルの争いも含め、チーム間のタッグマッチバトルになる様相も色濃く感じられた、そんな金曜の順位状況ではある。

そして夕刻には、自力戴冠権をもつ3選手が共同会見に臨んだ。初の王座を目指す#3 キャシディ、2年連続3度目の戴冠を期す#1 石浦、5年ぶり2度目の王座を狙うホンダ勢唯一のタイトル候補 #16 山本という面々だ。

#3 ニック・キャシディ
「今季ここまではパーフェクトといってもいいくらいのシーズンで、とてもハッピーに思っている。今週末も同じようなアプローチで、ミスなく戦いたい。そして、楽しく、ベストを尽くしたいと思っているよ。(接戦のカテゴリーなので)マシン的に他を圧倒するのは難しいが、そのなかでまずは予選、チームとうまく戦っていきたい」

#1 石浦宏明
「シーズン前半はあまりポイントが獲れておらず、今年はノーチャンスかな、と思ったところもありましたが、富士(第4戦)からいい流れになって、うまく挽回でき、こうして最終戦に(自力王座の)チャンスが残せてよかったです。今年はビハインドの立場なので気楽なところもありますし、最終戦は失敗を恐れず、楽しんで戦いたいと思います」

#16 山本尚貴
「開幕戦の鈴鹿、そしてSUGOと2勝(実質開幕2連勝)することができ、幸先良くスタートしたのですが、中盤から失速してしまいました。それでも、こうしてチャンピオン争いのなかにいられることはラッキーだな、と思っています。チームやホンダへの感謝と喜びの気持ちをもちつつ、最後は全力で戦ってタイトルを獲得できるよう頑張ります」

初日の感触は3人とも「まあまあ」「まずは順調」といったところ。そして石浦と山本は「(このレースが)3人だけの争いになるとは限らない」との旨を異口同音に語ってもいる。1-3で滑り出した関口&平川はもちろん、タイトル圏外にも強豪ひしめく状況、キャシディを含む上位3人も最後まで激闘になることを覚悟しているようだ。SF最終戦鈴鹿、5人の誰がチャンピオンになるにしても、19人の誰が優勝するにしても、“タフマッチ”を勝ち抜くことが必須条件になることは確実だろう。

まずは勝利最短距離のポールポジション争奪戦が重要になる。3段階ノックアウト方式の公式予選は明日(27日)の12時35分開始予定だ(SF最終戦はWTCR=世界ツーリングカー・カップ鈴鹿大会と併催中)。

《遠藤俊幸》

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