自動運転システムのHMIの現状と課題、ベストプラクティス…SBDオートモティブ、自動運転車部門シニアエキスパート、ディーパ・ランガラジャン

自動運転システムのHMIの現状と課題、ベストプラクティス…SBDオートモティブ、自動運転車部門シニアエキスパート、ディーパ・ランガラジャン
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ADAS(先進運転支援システム)やインフォテイメントシステムなど、車両コックピットに搭載されるシステムの数は年々増加している。SBDの調査では、ヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)が業界内で統一されていないため、ドライバーがシステムを即座に正しく理解し使用することが難しい状況であることがわかっている。

ADASのように安全性や利便性を向上させるシステムは、ドライバーが正しく理解し使用することで、システムの本来意図した目的が達成される。そこで重要な役割を果たすのがHMIである。現在のところ、HMIの設計に関しては、一部標準やガイドラインがあるものの、自動車メーカーが準拠すべき明確な基準というものが存在しない。

業界でより高度な自動運転技術の搭載が進む中、自動車メーカー各社には各種ADASの意図や機能を正しくユーザが理解できるような対策が求められる。例えば、緊急時などドライバーの介入が必要となった際に、システムはその一連のプロセスをわかりやすくドライバーに提示し、システムからドライバーに操作をスムーズに引き継げるようにしなければならない。

自動車メーカーにとって、HMI戦略の策定は決して容易ではない。機能の有効性とドライバーの注意散漫につながる可能性との間でバランスを考慮する必要がある。またドライバーの状態(運転に集中しているのか注意散漫になっているのか、等)を十分正確に把握できないことが、この課題をさらに困難なものにしている。

10月23日開催:HMI戦略の策定に役立つ車載HMIの評価と設計ポイントがわかるセミナーはこちらをご覧ください。

車載HMIの設計について、次のようなポイントについて検証する。

・ドライバーの適切な行動を促すシステム
・ドライバーのシステムに対する理解度
・システムの使いやすさ(ユーザビリティ)

現在、路上を走るクルマに搭載されている最も高いレベルのADASが、SAEレベル2に相当する。レベル2に該当するシステムでは、車両を操作する主体はドライバーであり、システムからは程度の差はあるものの運転の支援が提供される。このようなシステムにおいても、HMIが非直感的で、わかりづらく、ドライバーを混乱させるといったケースが見られる。

SBDではこれまで様々な車両のHMIのベンチマーク評価を行い、その重要性を提言してきたが、最近の調査では、比較的シンプルなADASでさえ、採用されているHMIソリューションに未だ統一性や明確さを欠いていることがわかっている。

ADASのHMIを評価しベストプラクティスを確立するため、欧州のESOP(European Statement of Principles)や、米国のUMTRI(University of Michigan Transportation Research Institute)、NHTSA(National Highway Traffic Safety Administration)のガイドラインをベースにしたHMIのゴールデンルールを独自に策定し提唱しており、これまでに評価を実施したシステムの中から、高評価および低評価となったポイントは下記の原則にのっとり評価を行った。

原則1: 走行中ドライバーの視線の前方からの逸脱を最小限に抑えること
原則2: わかりにくさを排除すること

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《Deepa Rangarajan(ディーパ・ランガラジャン)》

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