デンソーは8月23日、車載向け有機ELディスプレイの開発加速を目的に、印刷方式有機ELディスプレイを開発するJOLED(ジェイオーレッド)社に300億円を出資した。
デンソーは自動車用メーターやカーナビ、ヘッドアップディスプレイなど、様々なHMI(Human Machine Interface)製品の開発を行っている。これらのHMI製品は従来、主にTFT液晶ディスプレイが用いられてきたが、近年、情報量増加に伴い、これまで以上に美しく、大きく、分かりやすく情報を表示できるディスプレイが求められている。有機ELディスプレイはTFT液晶に比べ、高画質で発色が良く、また薄型、軽量で曲面化が容易なため、HMI製品の視認性や意匠性、搭載性を飛躍的に向上させることができる。
今回、出資を行うJOLED社は、世界で初めて印刷方式による有機ELディスプレイの製品化を実現。印刷方式は他の生産方式に比べて生産工程がシンプルなため、多様な画面サイズのディスプレイの量産が可能になる。今回の出資により、デンソーがHMI製品の開発で培った技術やノウハウと、JOLED社の持つ印刷方式による生産技術を融合。メーターやセンターディスプレイなど多様な有機ELディスプレイの開発、量産化を加速させ、より魅力的で利便性の高いコックピットの早期実現を目指す。