「100万台のEVは5000万台のプリウス」電動化車両普及のロードマップ…ReVision

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自動運転・コネクテッドカー・次世代モビリティ関連メディア「ReVision」が主催する「ReVision Mobility 第1回セミナー&交流会が5月31日、都内で開催された。

基調講演では、自動車ジャーナリストの清水和夫氏、トヨタ自動車 パワートレーンカンパニー常務理事の安部静生氏、内閣府SIP自動走行システムプログラムディレクターの葛巻清吾氏の3名が講演を行った。

■清水和夫氏講演 「CASEを読み解く - 今ユーザーは何を求めているのか」

清水氏はまず、CASEというキーワードをどう解釈すべきかについて説明した。CASEとは、「Connected, Autonomous, Shared & Services, Electric」の頭文字を取った造語だ。

「メルセデスが提唱したCASEによるパラダイムシフトが起きている。T型フォードの時代から、車は、人が運転する、買って所有する、化石燃料を燃やして走るという3つの前提は変わらなかったが、これがCASEによって変わる。運転は人ではなくAIへ、所有から利用へ、そして電動化だ」

そして、「CASEによって車が売れなくなる、と考えるのではなく、車の利用形態が増え、使いやすくなることによって、モビリティというパイそのものが大きくなる、と考えたらどうか」と提言した。

このパラダイムシフトに際して、新しいテクノロジーが生み出す価値とリスクを考えなければいけないと清水氏は説明した。

「新たなテクノロジーは価値を生むが、リスクが伴う。ビジョンを持って考えることが重要だ。2030年、あるいは2050年に、自分たちの住む街のあるべき姿を考えていくべき」

「人と人の繋がりこそ、近未来のライフスタイル。モビリティのゴールとは、移動したその先に何があるのかということ。コミュニティにつながるという事だ」と締めくくった。

■安部静生氏講演 「トヨタ自動車における電動車両普及に向けたチャレンジ」

安部氏はまず、電動化車両普及のシナリオを説明した。

「2020年に量産EVを、中国を起点として本格展開を開始し、以降、トヨタおよびレクサスブランドで、日本、インド、米国、欧州に展開していく。そして2020年前半には10車種以上をラインナップし、2025年、全車種に電動グレードを設定する。」

「そして2030年には電動車比率を50%以上とし、さらにEV/FCVを10%以上とする。トヨタはグローバルで年販1000万台規模だが、これをあてはめると、550万台以上の電動車、そして100万台がEV/FCVになるということだ」

そして、この目標を達成するための具体的な戦略について、電動車の地域戦略や多様化を説明した。

「地域的にみると、日本と欧州は(トヨタの)販売の40%以上がハイブリッドとなったが、他の地域は10%未満。これを上げていくのが最初のテーマとなる」

「20年来、THSというシステムを進化させた結果、30数車種に展開し、グローバルで年販150万台、累計1100万台を突破した。しかし、さらに市場規模を大きくしていくために、ハイブリッドの多様化に取り組む。スポーツカーやトラックという商品展開や、新興国にはアフォーダブルな48Vマイルドハイブリッド、ラグジュアリーブランド向けのハイエンドなハイブリッドなど。そして、THSではCVTだったトランスミッションも多様化していく」

そして安部氏は、電動車のキーテクノロジーは電池であるとし、その取り組みについて説明した。

「EVはプリウスの50倍の容量のバッテリーが必要だ。つまり、100万台のEVを作ろうとすると5000万台分のプリウスの電池が必要ということだ。しかし車載電池は、エネルギー密度やコストの観点で、お客様が望むレベルにはまだまだ達していない。資金面をふくめて大きな取り組みが必要だ。その結果としてうまれたのが、パナソニックとの提携。自動車産業の将来を握る電池。この技術と事業を引っ張って行きたいということで協業した」

■葛巻清吾氏講演 「SIP自動走行システムの現在 ~自動運転発展への課題とこれからの協調のあり方~」

葛巻氏はまず、SIP(内閣府が推進する”戦略的イノベーション総合プログラム”)自動走行システムのこれまでの実績について説明した。

「2014年からスタートしたSIP。自動走行とは何かということを合意しながら標準化していくプロセスを進めてきた。まず、何のために自動走行をするのかを議論し、事故低減、渋滞解消、これを最初に設定した。しかし自動運転は開発競争でもあり、最近は不幸な事故が起きるなど混乱が起きていると感じる。」

「昨年10月から大規模実証実験を進めている。大学やベンチャー企業をはじめ、内外含めた自動車メーカー、サプライヤーも参加し、標準化の議論をする。自動運転用の地図データ、情報セキュリティ、HMI、歩行者事故低減、次世代都市交通、社会受容性などのテーマをもってやっている。

そして、2019年度から始まる第二期SIPについても言及した。

「政府はSociety 5.0という未来社会の姿を提唱している。Society 4.0、つまり情報社会においては、米国発の技術が支配し日本は負けてしまった。5.0においては、サイバー空間とフィジカル空間が融合する。日本の強みはフィジカルなものづくり。サイバーとフィジカルをうまく利用して、日本として勝っていきたいということだ」

「自動運転においては、データをどう活用するかが非常に重要だ。データはシェアリング、電動化と親和性が高い。自動運転だけでなはく、シェアリング、電動化と一緒に動いていく」
《佐藤耕一》

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