MINI本部長が分析、8年連続販売増の秘密

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BMW日本法人MINI本部のフランソワ・ロカ本部長
  • BMW日本法人MINI本部のフランソワ・ロカ本部長
  • 『MINI』3ドアとフランソワ・ロカ本部長
  • 『MINI』5ドアとフランソワ・ロカ本部長
  • 『MINI』コンバーチブルとフランソワ・ロカ本部長
  • MINIブランドのファッションアイテム

独BMWの日本法人は5月16日、傘下の小型車ブランド『MINI』の3モデルを大幅改良して同日発売したと発表した。冒頭挨拶に立ったMINI本部のフランソワ・ロカ本部長は嬉しそうにこう話し始めた。

「MINIはおかげさまで、日本国内で8年連続販売台数が伸び、8年間で2倍以上の販売台数になった。2017年には初めて2万5000台を超えた」

このため、ドイツの本社からどうしてそんなに伸びているのか聞かれたそうだ。それに対して、ロカ本部長は「日本市場にはMINIのコアなファンが幅広い層に多く、ボディタイプも3ドア、5ドア、コンバーチブル、クロスオーバーなどがあり、パワートレインもガソリン、ディーゼル、PHEVと多彩で、これだけのバリエーションを用意している小型車ブランドが他にないため」と説明したという。それに加えて、限定車に力を入れていることが奏功しているとのことだ。なんでもその限定車の導入は日本法人のアイデアだった。

しかし、販売好調の秘密はそれだけではなかった。「三角戦略が重要」とロカ本部長は話す。三角戦略とは自身が考えたもので、「ブランド」「製品」「人材」をバランスよく発展させていくというものだ。特に人材育成については力を入れており、「自社の社員はもとより、販売店のスタッフすべてがMINI大好きで、販売店の来場者に対して家族のような対応をしている」(ロカ本部長)という。

さらにクルマを通じた体験の提供にも力を入れている。「今の時代は体験が必要で、その体験がなかったら、お客さまは商品を買ってくれない」とロカ本部長。しかし、これからは体験だけでは商品を売るのが難しくなると分析する。というのも、他社も同じように体験の提供を実施し始めているからだ。

「次のステップはクルマ以外の要素を含めてブランドを展開していく」とロカ本部長は強中する。それは「リビング」「ファッション」「A/D/O」「URBAN X」という4つの領域だ。A/D/Oとはニューヨークのブルックリンに設けたデザイナースペースで若手デザイナーを集めて自由な発想で作品をつくってもらおうということだ。また、URBAN Xはベンチャー企業のスタートアップ支援である。

全くクルマとは関係のない領域とも言えるが、それらの活動を通してクルマだけでなく企業に対するファンも増やそうと考えているのだ。企業のことを好きになってもらえれば、そのお客はずっと商品を買ってくれるというわけだ。もちろん、それらの活動の中でいいアイデアがあれば、クルマづくりに活かしていくのは言うまでもない。

「今後はこの4つでMINIに味をつけていきたい」とロカ本部長は力を込める。これからMINIがどんな変化を遂げていくのが興味は尽きない。

《山田清志》

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