中央分離帯がウネウネと移動する…ロードジッパーによる時間帯別車線運用

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ロードジッパシステムによる交通規制の実例(海外事)
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NEXCO東日本(東日本高速道路)は29日、高速道路リニューアルプロジェクトにおいて、「ロードジッパーシステム」を活用しての時間帯別車線運用を行なうと発表した。

実施場所は北海道、道央自動車道北広島IC~恵庭IC間の島松川橋のリニューアル工事で、実施時期は5月末~7月中旬を予定している。

「ロードジッパーシステムとは、リンジー社(アメリカ)にて開発、製造、販売しているシステムだ。リンジー社の防護柵はコンクリート製で、1個の重量680kgのユニットを並べる。防護柵の設置位置を、専用の防護柵切替用車両(BTM:Barrier Transfer Machine)を用いて移動させる。

従来のリニューアル工事では中央分離帯をラバーポールで仕切っている。ラバーポールは設置・撤去作業に数時間かかるため、時間帯別の車線運用は困難だ。ロードジッパーシステムを活用すると、車線運用の切り替えが1時間(切替作業20分、前後の準備作業40分)で済む。

島松川橋床版取替工事の対面通行規制では、時間帯に合せて車線数を変化させ、朝夕の工事規制渋滞を緩和する。片側1車線ずつの運用では、渋滞発生が予測されることから、3車線(2+1車線)運用を行ない、朝・夕の交通量が増加する時間帯に、ロードジッパーシステムにより20分程度の短時間で車線運用を切替え、交通量が多い方向の車線を増やす。

昨年の同シーズンにおける時間交通量の実績から、7時台を含む1~12時(朝~昼)は上り線(新千歳空港方面)を2車線、13~23時(昼~夕方)は下り線(札幌方面)を2車線にする。

対面通行時の中央分離帯にコンクリート防護柵を使用することで、中央分離帯突破事故を回避でき、安全性向上も図られる。

NEXCO東日本によるロードジッパーシステム使用の実績は、常磐道初石BOXはく落対策工事の工事車線規制、東京外環道の工事用設備(ベルトコンベア)設置の規制、関越道前橋工事(付加車線)の工事車線規制に活用した例がある。

道央道島松川橋は1971年12月より供用を開始した。老朽化、大型車交通による疲労などによりコンクリート床版のひび割れや剥離が進行し、抑制が困難となっていることから、プレキャストPC床版による床版取替を行なう。

《高木啓》

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