見通しの良すぎる交差点で出会い頭衝突---相手車両が止まって見える?

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周辺に建物が存在していない「見通しの良すぎる交差点」で、軽トラック同士の出会い頭衝突が起きた。この事故では双方の運転者が死傷している。

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26日午前9時30分ごろ、長野県小布施町内の町道で、交差点を走行していた軽トラック同士が出会い頭に衝突する事故が起きた。この事故で一方のクルマを運転していた高齢男性が死亡。もう一方の運転者も重傷を負っている。

長野県警・須坂署によると、現場は小布施町都住付近で片側1車線と幅員約3.5mの直線区間。交差点に信号機は設置されていない。2台の軽トラックは減速しないまま交差点へ進入し、出会い頭に衝突した。

衝突によって双方のクルマが中破。一方のクルマを運転していた同町内に在住する85歳の男性は胸部を強打し、収容された長野市内の病院で約2時間後に死亡。もう一方のクルマを運転していた高山村内に在住する65歳の男性は近くの病院へ収容されたが、右足を骨折するなどの重傷を負っている。

現場は農地の中にある見通しの良い交差点。一時停止の標識も設置されていなかった。警察ではコリジョンコース型事故の可能性を含め、事故発生の経緯を詳しく調べている。

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現場の周辺は広大な農地となっており、周囲に視界を遮るような障害物が何も存在していない。こうした場所では「同速度で接近を続けた場合、相手車両が止まっているように見える」という錯覚が起こり、これによって「接近していることの発見が遅れ、事故に至る」ということもある。

一般的には「コリジョンコース型事故」と呼ばれるが、北海道の十勝地方で頻発していたことから、北海道内では「十勝型事故」とも呼ばれている。「こんな見通しが良いところで、どうして出会い頭の事故が?」と思ってしまうが、目の錯覚に打ち勝つのは難しいのが実情だ。

《石田真一》

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