6か月で5kg痩せたら1万円支給---WILLER EXPRESS JAPANがこだわる健康経営

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健康経営を推進する WILLER EXPRESS JAPAN 平山幸司社長
  • 健康経営を推進する WILLER EXPRESS JAPAN 平山幸司社長
  • 健康経営を推進する WILLER EXPRESS JAPANが今年から稼働する乗務員宿泊棟の宿泊フロアー
  • 乗務員宿泊棟の食堂。朝・昼・夕・夜と用意する
  • WILLER EXPRESS JAPANの乗務員宿泊棟は車庫に隣接
  • 健康経営を推進する WILLER EXPRESS JAPAN

運転士が高齢化すると言われる中で、ピンクの高速バス「WILLER EXPRESS JAPAN」の乗務員平均年齢は43歳と、業界がうらやむ若さだ。それでも、平山幸司社長(48歳)がこだわるのが健康経営だ。

「これでも私、10kg体重を落としたんですよ。まず、自分でやってみせて、所長クラスに毎月、健康についての研修教育をして、それから乗務員を含めた全社員でダイエット・キャンペーンを始めたんですよ」

キャンペーンの内容は、肥満度を示すボディマス指数(BMI)30以上の人が、6か月で5kg減量、30未満の人なら4kg減量できたら1万円。また、肥満・脂質異常・糖尿病・高血圧を示す4項目の指数すべてが正常範囲にある人は半年ごとに1万円を支給するというものだった。

「健康診断などで追跡すると、全社員の40%に生活習慣病の傾向がある。もちろん病気ではない“未病”の状態だけど、この人たちに働きかけて改善されると、今度は残り60%の問題のない人が、新たに入ってくる。いたちごっこでキリがない。ならば全社員で取り組むしかない」

ただ、健康を阻害する4項目に気を付けようと話しても、何をしてよいかわからない。端的に体重を減らせば、それをきっかけに生活が改善される。さらに、乗務員向けに総額約6億円を投じて建設した社員食堂を備えた宿泊施設も、今年1月から稼働させた。

「乗務員は夜間運転が多く、生活も乱れがちだから。生活管理を説くだけでは改善されない。そこで車庫に隣接する『新木場ベース』で、快適な食事と睡眠を提供できる場所を作った」

それまでの乗務員は、借上げの賃貸アパートなどに宿泊し、食事はコンビニエンス・ストアの弁当などで自前で調達していた。

「これで食事がカップラーメンがさらに変わる。ダイエット・キャンペーンでは4項目のうち1項目でも改善がみられた場合は1万円という基準もある。高架はてきめん、今や健康の大ブームです」

むろん、これには乗務員の健康状態が、経営の大きなリスク要因になるという背景もある。バス運転者の脳疾患による事故発生率は、トラックやタクシーより群を抜いて高い。

「もちろん安全を担保する投資でもあるけれど、健康は何より自分のため。乗務員それぞれに家族もある。どうしたら生活改善できるのか、環境や情報を提供することも役目」

《中島みなみ》

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