【三菱電機 EMIRAI4】センチメートル測位を活用した自動運転とインターフェイス

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EMIRAI4
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  • ドライバーモニタリングシステムで乗員を認識したところ
  • 自動運転中の表示
  • 自動運転中はセンターコンソールの画面で野球中継を流すイメージ
  • センタコンソールの表示パネルとホイール動作が可能なボタン
  • 自動駐車場システム
  • 濃霧で景色はまったく見えないが、HUDには経路が表示されている

三菱電機は10月16日、自動運転を想定したHMI(Human Machine Interface)を盛り込んだコンセプトカー『EMIRAI4』を発表、同日記者説明会を開催した。10月27日からの東京モーターショーに展示される。

EMIRAI4は、三菱電機が持つ要素技術をいくつも詰め込んだショーケースであるが、特に象徴的なのが、HMIの目玉ともいえるヘッドアップディスプレイ(HUD)である。

プレゼンテーションを行った三菱電機 自動車機器開発センター 開発第二部長の渡部秀雄氏は、「三菱電機の高精度ロケーターと、AR型の3D表示が可能なHUDを組み合わせることで、濃霧や雪道など、見通しの悪い環境でも、自車が進むべき道路や車線をHUD上に表示することができる」と説明した。

高精度ロケーターは、10月10日に4機目が打ち上げられた、日本版GPSである準天頂衛星「みちびき」の高精度位置信号「CLAS(シーラス)」を利用したもので、センチメートル単位の精度を実現している。準天頂衛星は三菱電機が開発を担当しており、そのノウハウを活かした提案となっている。

「自律型(車載センサー・カメラによる自動運転)の場合、濃霧や雪などで車線や景色が見えなくなると自律走行が難しくなるが、高精度ロケーターと高精度3D地図によって、自車位置を正確に把握することで運転を支援することができる(=インフラ型自動運転)」(渡部氏)とのことだ。

自動運転を実現するための車載センサー・カメラ類は、内外の部品メーカーが続々と参入し、早くも市場が過熱しているが、高精度な自車位置測位技術を利用したインフラ型の自動運転支援は、準天頂衛星と高精度3D地図、ともに事業ドメインにある三菱電機の強みを活かしたものだ。そしてHUDは、雪や濃霧のような厳しい環境下でも、高い自車位置精度に裏付けられた正確な経路を表示するのに最適なデバイスである。HUDも新規参入が目立つデバイスであるが、渡部氏は「50メートル先の視点にも合焦できるなど、3D感をきっちり出し、ARによって経路をドライバーに伝えることができる」と特徴をアピールした。

濃霧で景色はまったく見えないが、HUDには経路が表示されている
EMIRAI4に搭載されたデバイスの量産時期について、渡部氏は、「(車内広角カメラによる)ドライバーモニタリングシステムは2018年めどに量産化、その他は2020年ごろ」と明かした。
三菱電機は「第45回東京モーターショー2017」に、次世代運転支援技術を搭載したコンセプトカー「EMIRAI4」を出展…

《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

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