【AI・人工知能EXPO】自動運転向けの強化学習が可能なバーチャル環境を提供…バーテックス

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  • AUTO CityとCarSimをつなぐV-CAR Simulation
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  • LIDARは米ベロダインの点群データをモデル化しているが、他のLIDARにカスタマイズすることも可能
  • バーテックスブース
  • AUTO CityとCarSim、V-CAR Simulationの構成図。

6月28日(水)から30日(金)まで東京ビッグサイトで開催中の「AI・人工知能EXPO」において、株式会社バーテックスは、ADAS(先進運転支援システム)の開発を支援するソリューションを展示している。

自動運転やADASを実用化するためには、センサーやAIソフトウェアが想定通りに動作するか、安全に走行できるかどうかを検証することが必要になる。そのテスト走行をシミュレーションすることができるバーチャル環境を提供するのが、バーテックスだ。

「アメリカでは、AIソフトウェアの強化学習をバーチャルで実施することが多くなっています」と、同社ビークルシミュレーション担当部長の中西康之氏は説明する。「実際に公道を走らせて強化学習を蓄積するためには、認可の問題もあり時間がかかります。そのため、バーチャル環境であらゆる状況を低コストに、短期間で学習させるケースが増えています。イーロン・マスクが設立したOpenAIが「AI用トレーニングジム」を公開するのもその流れです。」

「自動運転のAI用トレーニングジムと言えるのが、当社の製品『AUTO City』です。これは、自動運転やADAS用ソフトウェアの教師データの作成や強化学習の実施、また検証ができるバーチャル環境を用意するものです。」

「ゲーム用のプラットフォームである「UNREAL ENGINE」を利用しているので、環境光をシミュレートすることができます。昼間だけではなく、夜のテストもできますし、強い日差しが逆光になっていたり、西陽が道路に反射している状況をつくることも可能です。また、雨を降らせることもできますし、カメラのレンズに雨粒が付着する状況を再現することもできます」

ゲーム用のプラットフォームを利用して、リアルな道路環境を再現できることは分かったが、そのバーチャル空間の中で、車をどうやって走らせるのだろうか。中西氏は「自動車メーカーが利用している走行シミュレーションソフト「CarSim」と連携することで可能になります。AUTO City と CarSim を連携するプラグインも用意しています」と説明する。
AUTO CityとCarSim、V-CAR Simulationの構成図。

「LIDARはベロダインのものをモデル化しています。LIDARで取得された点群データをADASのアプリケーションに入れて走行をシミュレートします。また、他のLIDARにカスタマイズすることもできます。」とのことだ。

主要顧客については、「自動車メーカーやTier1サプライヤー、その他ロボティクス関連企業です。当社は3年ほど前から自動車メーカーと連携して、自動運転やADASをテストするバーチャル環境をどのように実現するか、研究してきました。今回の展示は、その研究成果とも言えます。」と述べた。同社のソリューションは、すでに実際に自動車メーカーが利用しているとのことだ。

《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

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