フランスの完全自動運転車、イスラエルのセキュリティ導入…サイバー攻撃を防御

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VEDECOM Techの完全自動運転車
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イスラエルに本拠を置くKaramba Security社は6月19日、同社のセキュリティシステムが、フランスのVEDECOM Techの自動運転車とコネクテッドカーに採用されると発表した。

VEDECOM Techは2014年、フランス政府の未来計画の一環として設立された官民団体。ルノー、プジョー、ヴァレオなどのフランスの自動車業界が参加している。2017~2018年にかけて、フランス、ドイツ、イタリア、ポルトガル、ベルギーにおいて、商用車の完全自動運転車(レベル5)の導入を目指す。

VEDECOM Tech はECUをハッキングのリスクから防御するために、Karamba Securityの「Carwall」および「Autonomous Security」ソフトウェアを採用。これにより、自動車業界において初めてサイバー攻撃防御機能をもった商業向け完全自動運転車が生産されることになる。

Karamba Securityのソリューションは、VEDECOM Techの自動運転車の通信ソリューション(YoGoko社製)の外部接続ECUのセキュリティ強化に使用。YoGoko社のソリューションは、Wi-Fi、ITS-G5、セルラー、LoRaなどさまざまなアクセス技術を組み合わせて、標準的な手法でインターネット接続を維持し、他車や道路施設、クラウドアプリとやり取りを行う。

この通信系のシステムには、システムレベルと同様のセキュリティを施す必要がある。このため、Karamba SecurityはYoGoKo社と協力。マルウェアをブロック、認証を強制化することにより、サイバー攻撃から防御し、自動運転機能の信頼を高めていく。

VEDECOM TechのFrederic Mathis社長兼CEOは、「自動運転車の生産段階に移行する最初の段階で、予め自動車の設計にサイバーセキュリティ技術を計画した。Karamba SecurityのAutonomous Securityは、自律的にECUを強化し、誤検知なくハッカーによる侵入を防ぐ。このアプローチによって、サイバー攻撃を防御する」とコメント。

Karamba SecurityのAmi Dotan CEO は、「商業化される世界初の完全自動運転車に、自社の技術が採用されることは、サイバーセキュリティ企業として非常に喜ばしいこと。VEDECOM Techの自動運転車およびコネックテドカーを、サイバー攻撃から守ることは最優先事項。このサイバー防御の実現に力を添えたことを、誇りに思う」と述べている。

《森脇稔》

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