ボディタイプ別カーオーディオの始め方・楽しみ方…セダン

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フォーカルの最新プロセッサー、『FSP-8』。当機も、帯域分割された純正オーディオのハイレベル出力を、フルレンジの信号に合成することが可能だ。
  • フォーカルの最新プロセッサー、『FSP-8』。当機も、帯域分割された純正オーディオのハイレベル出力を、フルレンジの信号に合成することが可能だ。
これからカーオーディオを始めてみたいと思っている方々に向けて、ボディタイプ別に“始め方”と“楽しみ方”をご紹介している。その第3回目となる今回は、“セダン”について考えていく。“セダン”ならではのアプローチ方法とは、果たして…。

今週の講師役は、福岡県の人気ショップ、“スタイリッシュ・サウンズ”の山本さんにお願いした。では早速、山本さんにお訊きした話をご紹介していこう。


■“セダン”では、純正オーディオに“マルチアンプシステム”が採用されているケースがある…。

最初に、スピーカー交換についてお訊きした。

山本「“セダン”では、スピーカー交換が少々しづらいケースがあり得ます。“フルレンジ”の信号を取りにくいクルマがあるんですよ。その場合には、スピーカー交換の前に他のトライアルを実行したほうがいいかもしれません。

というのも、“セダン”の中には、純正オーディオにパワーアンプが組み込まれている車種もあるんですね。その場合は、パワーアンプの前段であらかじめ、音楽信号が帯域分割されていることが多いんです。つまり、“マルチアンプシステム”が採用されている、というわけなんですね。

そのようなクルマに対してトレードインでスピーカーを交換すると、純正オーディオの帯域分割の設定値が、交換するスピーカーに合わないことも十分に考えられます。どのような帯域分割が行われているのかがわかりませんので。もしもマッチングが良くないと、その市販スピーカーの性能を十分に引き出すことが難しくなるんです。

そうではなくて、ドアのスピーカーまで“フルレンジ”の信号が来ているのなら、問題はないのですが。その場合なら、交換するスピーカーに付属のパッシブクロスオーバーネットワークを使って、そのスピーカーにあった帯域分割が行えますから。

もちろん、“マルチアンプシステム”が採用されていたとしても、その帯域分割の設定値が、たまたま交換するスピーカーとマッチする場合もあるでしょうし、多少相性が悪くても音が鳴らないわけではないですから、スピーカー交換ができないということではないのですが。

ただ、スピーカーが高級なモデルになるほど、そのスピーカーの性能を引き出せなかったら残念です。なのでもしも“フルレンジ”の信号が簡単に取れない場合には、当店では、“フルレンジ”の信号を“合成する”ことから手を付けることをお薦めしています」


■ステレオイメージを正確に再現できるようにする、というスタートプランもアリ。

話を続けていただいた。

山本「帯域分割された信号を“合成”することができる“DSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)”を導入することをお薦めしているんです。“DSP”とは、詳細なサウンドチューニングを行うためのユニットですが、帯域分割された信号を合成して入力することができる機種も多いんです。また、“DSP”の中にはパワーアンプを内蔵したリーズナブルな製品もいくつかありますから、そういったモデルをチョイスすれば、コストもある程度まで抑えることも可能です。これを用いてシステムを組めば、お好みの市販スピーカーの性能を、フルに引き出すことができるでしょう。

さらには、“DSP”の高度なチューニング機能を活用して、ステレオイメージを正確に再現することも可能になります。

ステレオの原理からすると本来は、左右のスピーカーから等距離の場所にリスニングポジションを取りたいところですが、クルマの中ではそうもいきませんよね。左右のどちらかに寄った場所で音楽を聴くことになる。しかしながら“DSP”に搭載されている“タイムアライメント”という機能を駆使すると、近くにあるスピーカーの、音を発するタイミングを遅らせることが可能になり、結果、すべてのスピーカーから等距離の場所にいるかのような状況を作り出せます。

カーオーディオの音を良くするためには、音の質感を上げることと、ステレオイメージの再現性を上げることの、2つのアプローチが存在しています。つまり、“DSP”を導入すれば、スピーカーの性能を引き出しやすくなるのと同時に、別アプローチからも音を良くすることに取り組めるようになる、というわけなんです。

“DSP”を導入するとなると、それなりのコストはかかってしまいますので、スピーカーだけを交換しようするときよりも、ハードルは上がります。しかし、それだけの効果はありますし、取り組んで損はないと思います。

または、スピーカー交換は後回しにして、最初に“DSP”の導入だけを行う、というのもアリです。スピーカーは純正のままですから、基本的には音の質感は向上しませんが、ステレオイメージが正しく再現できるようになりますんで、聴こえ方はガラっと変わります。場合によっては、スピーカー交換よりも大きな感動を得られるかもしれません」


■“セダン”は静粛性の高い車種が多く、オーディオベースとして向いている。

さて、それ以外の傾向と対策についても、教えていただいた。

山本「“セダン”の中にはドアの剛性が高い車種が多く、また、内張りパネルの遮音性が優れている傾向にありますから、ドア内部のオーディオ的なコンディションは良いほうだと思います。なので、“デッドニング”は軽めのメニューにとどめても効果を発揮しやすいですし、手をかけるほど、良さをさらに引き伸ばすことも可能です。“デッドニング”のやり甲斐が大きいタイプだと言えますね。

サブウーファーについては、まずは入門編として、薄型のパワードサブウーファーの導入から入りたいところですが、パワーシートになっていてシート下にスペースがないクルマもありますから、設置できないケースもあり得ます。シート下にスペースがあれば、パワードサブウーファーは有効なのですが。

ボックスを組んでユニットサブウーファーを入れる場合には、密閉されたトランクにボックスを積むことになるので、それで音は聴こえるのだろうかと心配される方もいらっしゃいますが、低音は回り込んで伝わってきますので、大丈夫です。なお、トランクスルーが設定されているクルマなら、これを利用して、振動板を車内からのぞき込めるようなレイアウトでボックスを積むと、より高音質で低音を楽しむことができると思います。

トゥイーターの取り付け場所については、ミラー裏が純正位置になっている車種では、この場所を利用するのも手だと思います。Aピラーを加工して取り付けるよりも工賃が抑えられますから。

“セダン”では静粛性の高いクルマも多いですし、オーディオのベースカーとして向いていると思います。積極的にカーオーディオを楽しんでいただきたいですね」

山本さんからお訊きした話は以上だ。プロショップの手にかかれば、どのようなボディタイプであったとしても良い音を作ることは可能であるが、その中でも特に“セダン”には優位性があるようだ。スピーカー交換を簡単に行いにくかったり、純正オーディオを取り替えにくい車種もあるので、とっかかりは少々難しくなる場合もありそうだが、そこを超えると大きな満足が味わえるだろう。ご参考にしていただきたい。

さて、次回は“コンパクトカー”を題材に話を進めていく。“コンパクトカー”にお乗りの方は、くれぐれもお読み逃しなきように。

プロが教えマス! ボディタイプ別カーオーディオの始め方・楽しみ方 Part.3「セダン編」

《太田祥三》

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