ボートもシェアする時代…未体験、スポーツ航行や羽田B滑走路直への接近

船舶 企業動向
ヤマハマリンクラブ「Sea-Style」東京湾試乗会(4月13日)
  • ヤマハマリンクラブ「Sea-Style」東京湾試乗会(4月13日)
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部屋、クルマ、駐車場、仕事…海辺のクルージングもシェアする時代に。ヤマハ発動機は4月13日、ボートをシェアするサービス「Sea-Style」の体験会を実施。思い立ったときにスグ、手軽に海へと出れる“ボート遊びの新スタイル”を体感した。

同社が展開するSea-Styleは、北海道から沖縄まで、全国約140か所あるマリーナで手軽にボートをシェアできるというサービス。入会金2万1600円、月会費3240円、利用料4100円~で、クルージングからマリンジェットまで、シェアしながら海上の時間を過ごせるというものだ。

今回は、天王洲アイルから同社製スポーツボート『AR240』(定員11名、平日3時間利用1万7500円~)に乗船し、京浜運河を南下、東京モノレールや首都高速1号羽田線を“水面レベル”から見ながら、東海ジャンクション付近で左折。左手に城南島海浜公園(大田区城南島)を愛でながら、羽田空港B滑走路へとタッチダウンする旅客機を間近に見て、折り返すという40分を体験した。

「スポーツボードのAR240と、フィッシングの『F.A.S.T23』がことしから一部のマリーナに配備された最新モデル」と担当者。いま乗っている船は、ことしからラインナップされたウォータージェット推進のAR240だ。運航は静岡拠点のベテランキャプテンに任せる。

京浜運河を南下し、大井競馬場前を過ぎたあたりだった。「しっかりつかまってて」とキャプテンがひと言。これまで30km/hほどでのんびり水面を行くボートが、後方のふたつのエンジンを吹かせて、あっという間に70km/hへ。左へ右へと旋回するスラローム航行には、取材陣の誰もが興奮。ステアリング下の小さなモニターには、「70km/h」という数字。水面の最新クルーザーは、クルマのそれとは違うスピード感と、横すべり感、さらに恐怖感を体感させてくれた。


◆水面をスポーツ航行、いつもとは違うGと視点

70km/hで行くボートからは、追いかけてくるカモメや東京モノレールが止まって見えるような錯覚に。彼らとちょうど同じ速度で走る水面シーンの体験は、こうしたスポーツボートならでは。同程度の速度で蛇行するさいは、地面を滑るクルマとはまた違う挙動で、同乗する記者の顔は強張りながらも、どこか笑っていた。

京浜運河から東京湾へ。潮の香りがさらに強くなると、海へ出たと実感。海のうねりがバウを叩き、京浜運河とは違う激しい上下動に「船酔いしないように」と警戒し始める。大田市場を左手に、京浜島を右手に見て、AR240が大きく左へカーブをきると、城南島。ここであらためて知ったのは、こうしたボートは、バイクなどと同じく内方傾斜で旋回する点。大型船などはカーブの外側に傾きながら旋回するが、いま乗るAR240は、内側に傾く。こういった点は、バイクに乗った感じでGを感じ取りながらカーブを描くという感覚。うねりや滑り感を気にしなければ、楽しいばかり。


城南島で船をとめ、南風ルートでB滑走路へと滑り込む旅客機を見上げる。スグ近くには誘導灯の赤いトラス骨格が迫る。記者陣は、これを頼りにゲートブリッジ側から左旋回しB滑走路へとタッチする旅客機を間近に見た。その迫力と臨場感に夢中。旅客機が風にあおられて翼を左に右にと傾かせる姿も、はっきりとわかる。

Sea-Styleのもうひとつの魅力は、レンタカーと同じく、“現地調達”に優れている点だ。たとえば、都市圏ユーザーが、北海道や四国、九州までエアや鉄道などで向かい、水辺でボートを駆って、ご当地を“水面目線”で体感するといったシーン。また逆に、地方在住のユーザーが、ボートに乗って都心の摩天楼を眺めるという使い方もできる。

Sea-Style試乗体験後に行われた会見では、興味深いユーザー動向が示された。メインユーザーは年金世代かと思いきや、その48%が会社員、22%が会社宅員、14%が自営業という。同社スタッフは、「こうした体験会を通じて、20代や30代といった若年層へその魅力を伝えていきたい」と伝えながらも、「既存ユーザーの平均年齢は、40代後半。安定したユーザー」とも話していた。

3年で機材更新、レンタルボートツアーも充実

Sea-Styleの特徴のひとつに、利用できるすべての艇が比較的新しいということがある。「3年で新しい艇に入れ換える。いつでも新しいボートを体験できる。すべてGPS装備で、安全・快適に利用できる」と同社。また、すべての艇が各種保険(艇体保険・賠償責任保険・搭乗者傷害保険・捜索救助費用保険)に加入。乗船時はライフジャケット着用が義務づけられる。

今回の天王洲アイル発着は、報道陣向けの企画でSea-Styleが展開する140か所の拠点には含まれない。東京都内では、江戸川区のニューポート江戸川、中央区の勝どきマリーナから発着。神奈川県は19拠点、千葉は8、山梨県(湖)は3。関西では、大阪府が5、和歌山5、兵庫9、京都4、滋賀5つの拠点がある。

また同社では、小型船舶免許を持たないグループなどに向けたレンタルボートツアー「海遊びプラン」も展開。北海道・東北、関東、中部、関西、中国、四国、九州・沖縄・海外といったエリア別選択をはじめ、釣り・グルメ・アーバンクルーズ・マリンプレイ・ファミリー・レッスン・スクールといったカテゴリからも選べる。

たとえば「三崎港『うらり』 三崎の海産物商品と新鮮魚料理」ツアーは、9時半に京急マリーナ(神奈川県三浦市)を出発、前半は釣りにトライし、昼間は「うらり ビジターバースに係留、うらり内で魚料理を堪能」、「魚料理で力をつけて後半 釣りトライ」、15時半にマリーナへ帰港するという流れのパッケージプランだ。

協力:ヤマハ発動機(試乗会)

《レスポンス編集部》

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