ホンダが知能化技術の研究所を東京・赤坂にオープンした理由とは

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Honda イノベーションラボ Tokyo
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  • 本田技術研究所 脇谷勉 執行役員
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ホンダは2月28日、研究開発子会社の本田技術研究所が知能化技術の研究開発を行う新拠点として東京・赤坂に開設した「Honda イノベーションラボ Tokyo」を報道陣に公開した。

Honda イノベーションラボ Tokyoは人と協調する人工知能技術と、クルマの知能化を目指したデジタル技術の研究をメインテーマにするとともに、本田技術研究所がロボット技術やモビリティシステム、エネルギーマネジメントなどの新領域の研究開発を担う組織として4月に発足させる「R&DセンターX」の外部窓口としても機能する。

R&DセンターXのセンター長も務める本田技術研究所の脇谷勉執行役員はイノベーションラボについて「オープンイノベーションをやっていく場」とした上で、「R&DセンターXからコー・オペレーティブ・インテリジェンスのリサーチ&エンジニア、さらに栃木の四輪R&Dセンターからコネクティビティと自動運転のメンバーがAIという技術をベースにしてイノベーションラボで研究開発を行っていく。メンバーが内輪で結合するのみならず、スタートアップの企業や個人、機関、大学とも広く連携していきたい」と説明した。

今回、報道陣に公開されたイノベーションラボは赤坂の高層ビル内に入居しており、ホンダの本社がある同じ港区南青山からは直線距離でわずか1km、地下鉄の駅では一駅という至近距離にある。

脇谷執行役員は「青山の本社だとどうしてもネクタイを締めて硬い感じでビジネスモードに入っちゃうところがあって、ここはもっとフランク」と語る。

ではなぜ赤坂なのか「これまでホンダのみならず自動車会社はどこもそうだが、インハウスで開発をずっとやっていきたが、もう1社だけのインハウス開発では世の中の技術トレンドに全くついていけない。そうしたことに我々も気付いてはいたし、それぞれローカルな部分ではやっていたが、そうではなくてR&Dオールとして本当に間口を広げてやっていこうよという、ひとつの意志表示。それにはやはり東京の中の、しかも赤坂というところが一番オープンイノベーションをやるのに適しているのではないかということで赤坂」と解説する。

その上で「我々はいろんな拠点でR&Dの開発をやっているが、そこでもできるのではないかという声もあるが、やはり赤坂だからこういうユニークなアイディアが出てきたねといわれるようなアウトプットを目指して、サムシング・ユニークでやっていきたいというのが、このラボのコンセプト」と強調した。

報道陣に公開されたイノベーションラボは仕切りを極力なくし全体的にオープンな造りとなっており、会議室も透明なガラスで囲うという徹底ぶりだ。また仕事に集中できるよう執務机の周りはモノトーンにする一方で、通路やフリースペースは青や緑を使うといった配色になっている。

また窓際にはカウンター式のテーブルやファミリーレストラン風のボックスシートが据えられ、気分転換しやすくなるような工夫も施されている。本棚には外部のブックコーディネーターが選んだ本が置かれている。それも研究開発のテーマとは直接関係のない内容の本を定期的に入れ替えることで、研究者が新しいアイディアをつかむきっかけ作りなどに役立ているという。

《小松哲也》

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