20日日本ミシュランタイヤが発表した「パイロットスポーツ 4S」は、サーキット走行も視野に入れた性能を持つという。どのような技術が投入されているのだろうか。
スポーツタイヤに求められる性能のうち「グリップ(ドライ・ウェット)、ブレーキング、走行安定性の3つに絞って開発された(成瀬朋伸氏 マーケティング部ブランド戦略マネージャ)」というパイロットスポーツ 4S。3つの性能をバランスさせるための技術は、まず左右非対称のパターン。パターンだけでなくコンパウンドもイン側、アウト側で配合を変えているというバイ・コンパウンド技術も採用された。
アウト側のショルダー、トレッドにはコーナリングのグリップ力、トラクションを確保できるカーボンブラック+シリカによるコンパウンド。イン側はウェットグリップ性能を高めるコンパウンドが、それぞれ採用されている。トレッドパターンもイン側、アウト側の役割に応じて形状が最適化されている。
このように2種類のコンパウンドを混在させたタイヤは、同社のパイロットスポーツ2、パイロットスーパースポーツなどでも採用され、実績のある技術だ。耐久性や偏摩耗などもスポーツタイヤとして問題ないレベルだと成瀬氏はいう。
また、サーキット走行でも安定した接地と剛性を確保するため、アラミドとナイロンのハイブリッドベルトをインナーに採用している。これにより、加速時、ブレーキング、コーナリングともに安定したタイヤ接地面を確保する。
これらの技術は、すべて同社がF1や耐久レースに供給しているレーシングタイヤのテクノロジーからのフィードバックによるものだと成瀬氏は説明する。パイロットスポーツ S4は、サーキット走行専用ともいえるパイロットスポーツカップ2に近く、パイロットスーパースポーツ、パイロットスポーツ 4よりも高いドライグリップ及びウェットグリップ(ラベリング表示でAaまたはBa)の性能を実現したという。
サーキット走行を楽しむ輸入車オーナーにとっては、なかなか使い勝手がよさそうなタイヤだ。