【ドライブコース探訪】「バケラッタ現象」のあとに訪れる絶景マジックアワー

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ボルボ『V40クロスカントリー』ディーゼルで薩摩半島南端、長崎鼻に到着。
  • ボルボ『V40クロスカントリー』ディーゼルで薩摩半島南端、長崎鼻に到着。
  • 岬へ通じる道。道端には土産物屋が。
  • 鹿児島弁ミニ講座が。
  • 浦島太郎伝説ゆかりの龍宮神社。
  • 浦島太郎伝説ゆかりの龍宮神社。
  • 願い事を牡蠣殻ないしホタテ殻に書き、この壷に奉納する。1回100円。
  • このように願い事を書く。
  • 龍宮神社の鳥居と開聞岳。

1月3日、ボルボ『V40クロスカントリー』ターボディーゼルで鹿児島県薩摩半島南部を散策。夕刻、半島南端の岬、長崎鼻を訪れた。この日は絶好の快晴であったことから、水平線に日が沈むのを見ることができるのではないかと考えたのだ。

この日の長崎鼻の日没は17時27分。到着したのは17時前で、岬に向かう前に龍宮神社に参拝した。浦島太郎伝説ゆかりのこの神社では、貝殻に願い事を書いて奉納することができる。1回たったの100円ということもあって、当然願い事を書いて壷に投入。

そうしている間にも日は刻々と落ちていく。小さな無人灯台である薩摩長崎鼻灯台に行くと、数人が日没見物をしていた。夏は灯台から階段を下りて岩場に行くと、潮だまりにいろいろな熱帯魚やウニやイバラカンザシなど、多種多様な海棲生物を見ることができるのだが、この季節はひっそりとしている。もっとも、岩場では冬でも底釣り、フカセ釣りとも思わぬ良型の魚がヒットすることもしばしばだ。

いよいよ日没。水平線まで雲ひとつなく晴れ渡っているというコンディションが維持されたため、海に直接太陽が沈んでいく様子を見ることができた。長崎鼻は夏は太陽が開聞岳方面に沈むため、一年中水平線に沈むのを見られるわけではない。また、海に沈むシーズンでも水平線にちょっと雲があればアウトなため、晴れていても見られるかどうかはまさに運次第だ。海に接する直前、大気光現象で海面に太陽が反射したような光が走る。その光と太陽の下端が次第に近づき、接した瞬間に太陽がΩ型に。通称「バケラッタ現象」である。

太陽が水平線下にすっかり隠れると、見物客はさっといなくなる。夕食の時間までに旅館に帰らなければならないためだ。が、実はここで帰るのはもったいない。長崎鼻の空が幻想的に七変化するのはこれからなのだ。この日は湿気が少なかったこともあって、空が紫色に染まる見事な“マジックアワー”を楽しむことができた。

長崎鼻は鹿児島市から約60km、鹿児島空港から100kmあまり。遠いようだが、実は鹿児島市心部を抜ければ流れの良い一般郊外路がメインで、距離のわりには短時間でたどり着ける。春夏秋冬、見せる顔は多彩で、また前述の長崎鼻パーキングガーデンも何とも言えずのんびりとした時の流れが楽しめる場所。一日行楽のドライブプランに加えて損はないイチオシのスポットである。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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