マツダの竹下仁商品本部本部長は全面改良した『CX-5』について「我々の弱点を真摯に高めようということで、かなり全社をあげて開発したクルマの第一弾」と明かす。
竹下本部長は「静粛性と乗り心地は正直言って我々の弱点だった」とした上で、「そこには色んな背景や理由があるが、そこはちゃんと真摯にきちっと高めようということで取り組んだのが、新型CX-5」と述べた。
このうち静粛性に関しては「これまで静粛性を高めるために競合車のホンダ『CR-V』やフォルクスワーゲン『ティグアン』と比較してどうこうのというやり方をしていたが、ロードノイズや風騒音など様々なノイズの要素には、あるところになると気にならなくなるレベルあって、そのそれぞれを超えようじゃないかという取り組みをした」という。
そのうえで「競合車に勝てば良いというのではなく、人間が気にならないレベルまで静粛性を高めようということでやった。今後出ていくクルマも同じ考え方でやっていく」と竹下本部長は語る。これにより新型CX-5は走行騒音を先代に比べて時速20km低い車速レベルに低減している。
もうひとつの弱点である乗り心地では「乗り心地に影響する部品の範囲を幅広くとらえるようにした。例えばタイヤで解決するというアプローチもあるが、それでは乗り心地が良くなっても操安性やロードノイズに課題が生じてくる。そこでタイヤやダンパー、バネ、さらにボディーも乗り心地に大きく起因するので、とにかく乗り心地に影響する部品を幅広くとらえて、それを1個1個どうあるべきか詰めていく地道な作業をした」と竹下本部長は振り返る。
さらに「結構『プラットフォームはキャリーオーバーじゃないか』といわれているが、実はもう半分くらいは同じものを使っていない。板厚を上げたり、形状を変えたり結構、半分以上は新設になっている。流用することをハナから目的としていなかったので、それくらいのテコ入れは実はしている」とも話していた。
協力:マツダ(取材会)