日産、自動運転技術活用の完成車搬送システムを公開

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日産「インテリジェント・ビークル・トーイング」
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日産自動車は12月5日、自動運転技術を活用した無人搬送システム「インテリジェント・ビークル・トーイング」を開発し、同社の追浜工場(神奈川県横須賀市)に導入したと発表した。

電気自動車の『リーフ』をベースにした自動運転技術搭載のけん引車が、完成車3台を搭載できる台車を引っ張って無人で自動走行する。生産した車両を工場から敷地内の専用ふ頭のヤードまで約1.4kmの距離を運んでいる。

リーフを改良したけん引車には、左右のドアミラーに計2個のカメラと、フロントバンパー内に計4個のレーザースキャナーを搭載しており、道路の走行レーンなどを検知する。走行中に人やクルマに遭遇しても安全に走行できるようにしている。構内の制限速度に従い、最高30km/hで走る。車両の積み降ろしは作業員が行う。

このシステムは2015年6月から試験運用しており、これまで1700回の走行を行った。現在は2セットで運用している。車両生産技術を担当する吉村東彦常務執行役員は「今後、コストを引き下げ、19年くらいには追浜工場のすべての完成車をこのシステムで搬送したい」との計画を示した。すべてを搬送するには、7セットが必要という。

同工場は現在、2シフトで日産1000台を生産しており、専門のドライバーが1台ずつ運転して搬送している。日産はこのシステムへの切り換えで、省力化とともに完成車の搬送に伴うCO2の排出削減にもつなげたい考えだ。

《池原照雄》

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