避難所などで見かける大型のテント。それを組み立てるとなると、非常に苦労することもある。ところが、クラレが開発したテントなら、4人いればたったの30秒で設置することができるのだ。
「ジオダイナ」という名の屋根幕・フレーム一体型のテントがそれだ。普段は幅2050mm、奥行800mm、高さ600mmに折りたたまれているが、四隅を持って広げていくと、幅5330mm、奥行5870mm、高さ2710mmに広がり、あっという間にテントが完成してしまう。
実際に会場で同社関係者2人がデモンストレーション用の小型テントを使ってやって見せたが、30秒もかからずにテントができあがってしまった。もちろん、品質についても太鼓判を押す。
「屋根幕は『ベクトラン』というポリアリレート繊維を使っているのですが、この繊維はNASAが火星探査機のエアバッグに使用したものなのです。フレームはアルミ製で軽く、総重量は97kgです。杭を打って固定すれば、風速10m、積雪5cmでも大丈夫です」と同社関係者は自信満々に話す。
価格は150万円からで、防災意識の高い自治体で多く採用されているという。現在、クラレが直接販売しているが、代理店を募集しているとのことだ。