大阪「うめきた」に大きな溝が出現…JR西日本、地下化工事を公開

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深さ約12mの大きな「溝」が出現した「うめきた2期」。ここに梅田貨物線の地下トンネルが構築される。
  • 深さ約12mの大きな「溝」が出現した「うめきた2期」。ここに梅田貨物線の地下トンネルが構築される。
  • 更地になった梅田貨物駅跡。「うめきた2期」として開発が行われる。
  • 写真手前の地下に北梅田駅が建設される。大阪駅のすぐ近くだ。
  • 更地になった梅田貨物駅跡地の北側。梅田貨物線地下化の北2工区がこのあたりになる。
  • 北2工区の脇を通過する特急『くろしお』。
  • 北2工区の位置(東京からの距離)を示す看板。
  • 「溝」の幅は約12mある。
  • 「溝」の幅は約12mある。
東海道本線貨物支線(梅田貨物線)のうち、大阪駅北側の開発エリア「うめきた2期」(大阪市北区)を通る部分の地下化と新駅の工事が10月28日から全面的に着工する。JR西日本はこれに先立つ10月27日、工事現場の一部を報道陣に公開した。

梅田貨物線は吹田貨物ターミナル駅から大阪駅の北側を通り、西九条駅までを結ぶ鉄道路線。貨物列車のほか、京都方面と関西空港・紀勢本線(きのくに線)方面を結ぶ特急『はるか』『くろしお』などの旅客列車が運行されている。

大阪駅の北側を通る部分には梅田貨物駅があったが、吹田貨物ターミナル駅に機能を移す形で2013年に廃止された。これに伴い貨物駅跡地を開発するとともに、梅田貨物線を貨物駅跡地の東側地下に移設。途中に北梅田駅(仮称)を設置する計画が始動した。

工区は北1~3工区と駅部工区、南1・2工区の計六つに分かれており、このうち北1~3工区と南1・2工区が着工済み。残る駅部工区は10月27日に安全祈願祭が執り行われ、翌28日から着工する。

今回公開されたのは、北2工区の工事現場。工事区間の大半は貨物駅跡地の更地化が完了したばかりで、本格的な工事はこれからという状況だが、北2工区は先行して掘削工事が進み、地上からの深さが約12m、幅が約12mの大きな「溝」ができあがっていた。今後は複線の箱形トンネルを構築する作業へと移っていく。

JR西日本の説明によると、この工区付近の地下はガス管や下水道、電話線などのライフラインが集中しており、これらの移設に伴い地下トンネルを先行整備する必要があったという。JR西日本大阪工事所の桐畑修一所長は「地上近くに水路があり、水を出さないよう気を遣いながら工事を進めている」と話した。

■おおさか東線からの乗入れにも対応

地下化の事業区間は、国道423号(新御堂筋)との交差部付近から福島駅付近までの約2.4km。このうち約1.7kmが地下トンネルで、残りの吹田方約0.4kmと西九条方約0.3kmが掘割区間になる。大阪市を事業主体とする連続立体交差事業(連立事業)で、北梅田駅の前後約1.0kmはJR西日本を事業主体とする新駅事業区間。工法は吹田方約0.8kmが仮線工法、西九条方の約0.3kmが直下工法を採用。北梅田駅を含む中間部の約1.3kmはルートを貨物駅跡地の東寄りに移設する別線工法になる。

地下化によって解消される踏切は、大阪駅の北西側にある西梅田一番踏切の一カ所だけだが、阪急線との交差部の北側にある能勢街道架道橋と中国街道架道橋も梅田貨物線の地下化で平面道路となり、高さ制限が解除される。これにより連立事業としての採択条件をクリアしている。

線路は北梅田駅を境に吹田方が複線、西九条方が単線。北梅田駅は島式2面4線の地下ホームになる。同駅は大阪駅のすぐ北側に設けられ、実質的には両駅がつながることになるが、両駅の改札内外を結ぶ連絡通路の整備は今後の検討課題になる。

梅田貨物線の地下化と北梅田駅の開業は2023年3月の予定で、事業全体の完了は2024年3月を予定。北梅田駅が開業すると、特急『はるか』『くろしお』も同駅に停車することになるが、それ以外の列車の北梅田駅への乗入れは未定だ。ただし、おおさか東線の北区間(新大阪~放出、2019年春開業予定)から梅田貨物線に乗入れできる構造にするという。

このほか、北梅田駅の西九条方は、将来構想である「なにわ筋線」(新大阪~JR難波)に配慮した線形を採用している。なにわ筋線の分岐に対応した準備構造物の構築は、今回の工事では行わないという。
《草町義和》

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