神戸製鋼所の子会社、神鋼造機(本社・岐阜県大垣市)は「危機感機産業展(RISCON)2016」に災害時に便利な車両を展示した。それは「どこ電くん」というクローラ(キャタピラ)型移動電源車で、凸凹の悪路でも走行できるというものだ。
同社は50年以上にわたって移動電源車の製造を行っており、そのノウハウが詰まっているのがこの電源車だという。ゲリラ豪雨や豪雪で被災した停電地域へ急行する際、土砂崩れや倒木でアクセス道路が困難となった場合でも、早期にライフインフラ確保の支援ができる車をということで開発した。
車両重量はクローラ装着時で7トン未満にし、普通免許での運転をできるようにした。また、4輪駆動のクローラは普通のタイヤと交換ができるので高速道路の走行も可能だ。ただ、その場合、1個200kgのクローラを運ぶために伴走車が必要になるという。
そして、この電源車のいいところは、通常の高電圧のものと違い、低電圧でそのまま一般家庭につなげて使えるということだ。つまり、電圧を変える装置が必要ないわけだ。価格は3500万円。
「今年1月に発売しましたが、正直、まだ1台も売れていません。今いろいろと売り込んでいる最中で、早く第1号を売りたいです」と同社関係者は話していた。