宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2月17日に打ち上げられたX線天文衛星「ひとみ」(ASTRO-H)が3月26日の運用開始時に衛星からの電波を正常に受信できず、その後も衛星の状態を確認できない状況が続いていると発表した。
3月28日午前11時の時点で、受信できていない状態が続いている。通信不良の原因は不明だが、短時間ではあるものの、衛星からの電波を受信できたことから引き続き衛星の復旧に努めているとしている。
JAXAでは、復旧原因調査に万全を期すため、理事長を長とする対策本部を設置した。「ひとみ」の通信復旧と原因調査について全社的に取り組むとしている。
また、JAXAによると、米国JSpOC(国防総省戦略軍統合宇宙運用センター)から、衛星が複数の物体に分かれている可能性があるとの情報が公表されている。複数の物体を確認したとされる時刻以降、短時間、衛星からの電波を受信できたことから、衛星の通信異常との因果関係について確認中としている。