西日本鉄道(西鉄)は2月4日、天神大牟田線に新型車両の9000形電車を導入すると発表した。川崎重工業が2016年度から2017年度にかけて18両を順次製造する予定。まず2017年3月に10両がデビューする。
西鉄と川崎重工の発表によると、9000形は5000形電車の置換えを目的とした新型車両。ステンレス製の車体でドア数が片側3カ所の3000形電車をベースにしつつ、安全性やサービスの向上、省エネルギー化を図る。
車体外観は「歴代の車両でも多く使用されている“赤帯”のDNAを継承」するとして、側面にロイヤルレッドの帯を入れる。先頭部は縦のラインを強調することで「前に進む力強さと次世代車両としての新しさ」を表現するという。西鉄は2006年3月に導入した3000形以来、11年ぶりのモデルチェンジになるとしている。
車内は白を基本とした色調にするとともに、座席の仕切り部や連結部分のドアにガラスを採用。「見通しの良い開放的な車内環境」を創り出す。座席はロングシートで、一人あたりの座席幅を従来の車両より15~20mm広げ、快適性を向上させる。また、座席部の縦手すり(スタンションポール)を増設して安全性の向上を図る。
車内のドア上部には17インチ液晶画面を二つ並べ、4カ国語による案内や広告などを表示する。車椅子・ベビーカーの優先スペースは全ての車両に1カ所ずつ設ける。
制御装置(VVVFインバーター)と補助電源装置(静止形インバーター)には、次世代半導体素子「SiC」を適用する。照明類は全てLED化し、車外の行先表示器もフルカラーLEDに。これにより、5000形に比べ約50%の省エネルギー化を図るという。
9000形は、2017年度末までに3両編成4本と2両編成3本が導入される予定。2016年度に3両編成2本と2両編成2本、2017年度に3両編成2本と2両編成1本が、それぞれ導入される。西鉄は主に急行・普通電車で運用するとしている。