今年の一台を決める「日本カー・オブ・ザ・イヤー 2015-2016」が発表された。モータージャーナリストをはじめとする60名の選考委員による選考コメントが、公式サイトで公開されている。各委員の得点とともに引用し、紹介する。斎藤慎輔氏はホンダ『S660』に10点。以下は日本カー・オブ・ザ・イヤーHPに掲載されたコメントである。 「ホンダS660かマツダ ロードスターか、悩みに悩んだ上でS660を最高得点としました。 どちらも、速さよりも楽しさを第一義としたスポーツカーであることは好ましく、一方で走りにはそれぞれのメーカーの特色がはっきりと現れていること、造り手の強い拘りを製品に反映するための努力が深く練り込まれていることにおいては遜色ありません。 そうした中でS660は、なにより若者の発想と願いを夢に終わらせず、異例の20代の若手リーダーを周りが支えた開発体制や、あるいは生産工場の現場の努力など、背景にも見るべきものがありました。 その上で、走りはドライビングスキルによらず多くの人が安心して心地よく楽しめるものでありながら、実は軽自動車らしからぬ奥深いハンドリング性能も持つことなど、スポーツカーとして押さえておきたい要件はきっちり備えている点も高く評価しました。軽自動車の枠でスポーツカーを造ることに賛否はありますが、スポーツカーを持つ、乗ることのハードルが高くなっている今の時代において、所有のしやすさも考慮すべき点と考えています」。 全投票点数は下記の通り。 ホンダ『S660』:10点 マツダ『ロードスター』:7点 ジャガー『XE』:4点 BMW『2シリーズ アクティブ ツアラー/グラン ツアラー』:3点 テスラ『モデルS P85D』:1点斎藤慎輔│モータージャーナリスト1958年1月28日生まれ。自動車メーカーの開発ドライバーを経て、モータージャーナリストへ。車両評価能力に長け、その真摯なレポートは読者のみならずメーカー開発者からの信頼も厚い。試乗は最低1000kmをモットーとしており、じっくりとクルマに向き合うことで、ユーザー視点に立った細かな部分までを評価する。モータースポーツ活動にも積極的に携わり、スーパー耐久レースなどにも参戦。その一方で、エコドライブ・インストラクターなども務め、ジャンルを問わず幅広い分野で活躍する。