NTNは、高級車に多く採用される後輪駆動形式に最適な「リア用軽量ドライブシャフト」を開発。10月29日から一般公開が始まる「第44回東京モーターショー2015」に出展する。
近年、欧州をはじめ世界各国で自動車の燃費規制が強化される中、CO2排出量削減は自動車メーカにとって重要な課題であり、高級車向けリア用ドライブシャフトについても低燃費化を目的に軽量化の要求が高まっている。今回NTNは、後輪駆動車専用のドライブシャフトを開発することで、大幅な軽量化を実現した。
これまでリア用ドライブシャフトには、前輪駆動車の前輪への適用を前提とした等速ジョイント(CVJ)を兼用していた。前輪用のCVJは、サスペンションのストロークとハンドル操作による転舵に対応するため、最大47~50°という角度においても、常に同じ回転速度で滑らかにトルクを伝達する仕様となっている。一方、主にサスペンションによる上下ストロークにのみ対応するリア用のドライブシャフトは大きな作動角を必要とせず、軽量化が期待されていた。
今回開発した「リア用軽量ドライブシャフト」は、リア用ドライブシャフトに必要な作動角に限定したリア専用設計。タイヤ側の固定式CVJとデフ側のスライド式CVJを新しく設計したほか、その間をつなぐ中空シャフトは可能な限り肉厚を薄くし、CVJを覆う部位にはコンパクトブーツを採用した。この結果、従来のドライブシャフトに比べ、一本あたり2.2kg(約30%)の軽量化を達成。また、CVJだけでなく、主要部品すべてに形状最適化を図ったことで、必要な負荷容量を確保しつつ軽量化・コンパクト化を実現している。