【新聞ウォッチ】中国経済の減速鮮明、鉄鋼過剰投資などのツケで成長率7%割れ

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中国の鉄鋼工場
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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2015年10月20日付

●携帯料金下げ議論スタート、家計の負担軽減狙う、景気浮揚へ年内に結論(読売・3面)

●更なる業界再編促進、革新機志賀会長、過当競争を懸念(読売 ・8面)

●エコカー競争混とん、VW不正、ディーゼル車失速、HV、EVが軸に(読売・9面)

●内閣支持41%に上昇、本社世論調査、TPP賛成は58%(朝日・1面)

●いちからわかる!車の自動運転いつ実用化される?(朝日・2面)

●世界の工場ほころび、中国成長率7%割れ(朝日・2面)

●無人ヘリ民間にも販売、富士重が検討、陸自使用の新型機(産経・2面)

●VW問題で「消費者がディーゼル敬遠」(産経・10面)

●「自家用車タクシー」解禁、特区で、交通網弱い地域中心(日経・2面)

●車部品燃料電池車に注力(日経・12面)

●滑走路補修7空港怠る、羽田など路面滑りやすく、検査院調べ(日経・38面)

ひとくちコメント

中国経済の減速基調が一段と鮮明になってきた。2015年7~9月期の国内総生産(GDP)が物価変動を除く実質で前年同期比6.9%増にとどまり、リーマン・ショック後に景気が悪化した09年1~3月以来、約6年半ぶりに7%を割り込んだという。

中国国家統計局が発表したもので、GDPを支える貿易は、輸出入あわせて9月まで7か月連続のマイナスを記録。9月の消費者物価指数も前年同月比1.6%とわずかな上昇で、8月を0.4ポイント下回って消費の低調さを物語っており、デフレ懸念までささやかれ始めている。

さらに、産業動向を示す9月の工業品卸売物価指数5.9%低下して、3年7か月も連続で前年同月を下回っていた。

きょうの各紙も「中国成長率7%割れ」を検証するレポートを大きく取り上げている。このうち、1面トップで報じた産経は「偽りのGDP異様に巨大化」との衝撃的な見出しで、通年で「前年比7.0%前後の増大」という政府目標の中間値「7.0%」をクリアするのは困難になっていると伝えている。

また、経済面でも「中国失速しぼむ輸出、日本企業痛手」として、チャイナリスク関連倒産の急増などが懸念されると指摘する。

朝日は「中国ショック」として「世界の工場ほころび」とのタイトルで、世界が見つめる経済減速の現場を歩くと人件費の高騰など「あちこちできしみが見えた」とレポート。

読売も「中国過剰生産顕著に」との見出しで「生産や消費の現場からは、統計以上に経済の減速が進んでいる」とみている。「作りすぎで鉄がだぶつき、今では白菜よりも安いよ」という書き出しがわかりやすい。鉄鋼業の過剰投資などのツケが一気にのしかかっているようだ。

《福田俊之》

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