トヨタ自動車は10月7日、新しいタイプの福祉車両についての説明会を開いた。その最大の特徴は乗降時に座面の前側が下がる「助手席回転チルトシート」で、狭い空間でも使いやすいこと。しかも、手動式なのでシートを収納するのにたったの3秒だ。
「自動車会社として、高齢者がより外出しやすい車両により、高齢者の閉じこもりを少しでも減らせることを願って、この助手席回転チルトシートを開発した」と製品企画本部の中川茂主査は説明する。
なんでも高齢者が閉じこもりなると、心身機能の障害を引き起こす廃用症候群を発症し、寝たきりに進行しがちになるそうだ。そこで、高齢者本人の幸せのためにも、家族の介護負担を減らすためにも、閉じこもりのない生活が重要と考えたわけだ。
今後は運転席にもこのようなシートを導入したい考えで、「福祉車両の“普通のクルマ化”を目指し、これからもさまざまな開発を続けていき、完成度を高めていきたい」と中川主査は熱く語っていた。