【SUPER GT 第5戦】GT300決勝…重ハンデをものともせず、クート組GT-Rが勝利

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優勝したクート、千代、富田(左から)。
  • 優勝したクート、千代、富田(左から)。
  • 見事な勝利を飾った#10 GT-R。
  • 鈴鹿1000kmのGT300クラスで優勝した#10 GT-R(予選日の走り)。
  • #10 GT-Rは予選でも重いハンデをはねのけ、2番グリッドを獲得していた。
  • GT300の表彰式。
  • スタートは雨中。ポール発進の#2 ロータス(左)と、予選2位の#10 GT-R。
  • 決勝2位の#7 BMW Z4。
  • 決勝3位の#61 スバルBRZ。

30日に実施されたSUPER GT第5戦「鈴鹿1000km」の決勝、GT300クラスはアンドレ・クート&千代勝正&富田竜一郎のトリオが駆る日産GT-Rが、88kgのトップハンデを背負いながら優勝、今季2勝目を手にした。

天候にも翻弄された一戦、GT300クラスは最終的に151周での決着となったが、レース途中、2度目のセーフティカー明けのタイミングでは上位13台ほどの間隔がそれぞれ僅差となるなどの熱い戦いが展開された。それでも約6時間の長い戦い、後半になれば隊列はバラけてくるもの。しかし首位攻防は最後まで大激戦だった。

最終的には1秒差で2位の#7 Studie BMW Z4(J.ミューラー&荒聖治/タイヤはヨコハマ=YH)を振り切って、#10 GAINER TANAX GT-R(クート&千代&富田/ダンロップ=DL)が勝利したわけだが、ドライバーズポイントトップのクートが乗り込む#10 GT-Rは44×2=88kgという酷量のトップハンデを背負っての戦いだったのである。

さすがにレースウィーク前は「ラクではないと思っていました」(千代)というのが陣営の正直な思いであり、レース序盤に大きく順位を下げる局面もあった時には、「今日はダメかとあきらめかけました」(富田)というのも無理からぬ状況だったが、「いろんな要素が絡んでどんどん順位が上がっていって、信じられなかったです」(富田)。そして最後は千代が#7 Z4の追撃を封じ切っての今季2勝目ゲットとなった。「しんどいレースでした」(千代)。それは確かだが、しかし強い、観る者にそんな実感を抱かせる勝利だったといえよう。

今回がSUPER GTでの自身100戦目、日本でのレース歴も長いクートは、「鈴鹿1000kmという日本の歴史的なレースを勝てたことは一生の思い出になるし、自身のSUPER GT 100戦目でもあり、チャンピオンシップに向けてのグッドチャンスも得られた。チームと3人のドライバーが良い仕事をした結果だ」と喜ぶ。

今季の#10 GT-Rは、千代が欧州のシリーズ戦との並行参戦のために出走できないレースがあることなどから、変則3人体制を敷いて戦っている。第2戦も3人組での勝利だったものの、当時は富田の決勝走行がなかったため彼はポイント対象になっておらず、千代は第3戦(クートと富田で2位)を欠場しているなどの影響で3人の獲得ドライバーズポイントが異なる状況なのだが、なんと今回の結果で3人が別個にランク1-2-3を占めるという珍事も発生。「他チームには迷惑な話ですよね」(千代)という冗談も飛び出すくらいだが、とにかく安定して強いのが今季の#10 GT-Rだ。実質のドライバーズランク2位以降とは31点という大差がつき、首位クートの王座獲得に向けて視界良好となった鈴鹿1000km優勝であった。

惜しくも敗れた#7 Z4に続く決勝3位は#61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人&山内英輝/DL)。ここまでがトップ同一周回で、4位は#88 マネパ ランボルギーニGT3(織戸学&平峰一貴&佐藤公哉/YH)。5位には#21 Audi R8 LMS ultra(R.ライアン&藤井誠暢/YH)、6位に#65 LEON SLS(黒澤治樹&蒲生尚弥/YH)と続き、ポール発進からレース中のペナルティもあるなどして7位だった#2 シンティアム・アップル・ロータス(高橋一穂&加藤寛規&濱口弘/YH)まで、今回のGT300クラスは決勝上位7台がすべて異なるマシンという結果になっている。

2015年のSUPER GTも残すは3戦。第6戦は3週間後、スポーツランドSUGOで9月19~20日に開催される。

《遠藤俊幸》

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