公正な選挙を求める活動を行なっている非政府組織(NGO)が29日午後から翌々日未明にかけて大規模集会、「BERSIH(クリーン)4.0」を予定している問題で、集会を強行したいBERSIH及び野党と中止に追い込みたい与党政府とのつば迫り合いが激しくなっている。
与党政府が背後に控える反BERSIHグループは25日、クアラルンプール(KL)市内で揃いの赤いTシャツを着た200人あまりがデモ行進を実施。29日の「BERSIH4.0」集会にぶつける形で、3万人の反BERSIH集会を行うと発表した。その上で、路上で角材を折ったりブロックを割ったりする暴力的パフォーマンスを披露し、「自分たちからは仕掛けないが、黄色シャツ・グループ(BERSIHグループ)が仕掛けてきたら反撃する」と強調した。
警察を管轄する内務省とKL市政府(DBKL)は、「BERSIH4.0」集会が非合法だとし、国民に参加しないよう呼び掛けた。またムルデカ広場周辺での野宿も認めないとし、違反者には法的処置をとると警告した。
これに対し「BERSIH4.0」主催者であるマリア・チン・アブドラ氏は、KL市政府がムルデカ広場以外での集会には許可は不要だと言っており集会は合法だと指摘。KL市政府から開催許可を得ていないとの警察の指摘は根拠がないと反論し、集会を強行する考えを示した。
「BERSIH4.0」側は、KLのほかコタキナバルやクチンでも大規模集会の同時開催を計画しており、少なくとも3万人が参加すると見込んでいる。
KL警察は、26日から独立記念日である31日までムルデカ広場周辺の18の道路を閉鎖すると発表した。