混戦のプロ野球で頭ひとつ抜き出た強さの福岡ソフトバンクホークス。その後ろ盾となっているソフトバンクの孫正義社長が7月30日、「ソフトバンクワールド2015」で基調講演を行った。講演では、孫社長の掲げる最新の理念があふれ出るかたちとなった。2014年の講演では、感情認識パーソナルロボット「Pepper」とともに登壇し、その市販化などを掲げ、形にしてきた。今回の講演で、孫社長は大きく3つ、ソフトバンクの戦略分野を明らかにした。***情報革命はあらゆるところにあります。たった20年間に製造業は12倍に拡大しましたが、インターネット産業は710倍になりました。これは一時的なものではなく新しい時代のトレンド、情報革命そのものです。情報武装による生産性向上、情報武装が必要な中で、スマホすら使っていないという方は化石です(笑)。タブレットはどうでしょうか?(会場に挙手を求める)侍は大刀と小刀を両方持っていないと、ということで、現代は、スマホとタブレットを両方持っていないと戦に行けないと。単に手元にある端末ということで、これらはクラウドにつながって仕事をしています。みんなつながっています。この「三種の神器」をフルに使うことで初めて情報武装したということになります。そしてどのように成長戦略を描くのか。新しい差別化を行うのか。10年、20年、30年の未来を読んで事前に準備することが肝要です。■2兆円勝負は、スティーブ・ジョブズという勝算があった当時ボーダフォンジャパンを2兆円で買収する、その2週間前に私はひとりの人物を訪問しました。ソフトバンクがモバイルの分野に参入して、新たな武器を持つことができるのかを確かにするために。訪問した人物はスティーブ・ジョブズです。まだiPhoneはありませんでした。極秘のプロジェクトでした。新しい武器が必要だから、あなたしかいない、ぜひ組んでくれないか。当時のiPodに携帯の機能をつけて欲しいと話しました。あなたはOSを持っている。OSと小さな端末を組み合わせれば新しいことができると話しました。そうしたら「お前はクレイジーだ。しかしクレイジーなお前の考えは好きだ」ということで組みました。そういう新たな武器が、胸の中に秘める新たな武器があったから、2兆円の勝負ができました。これからの時代、音声で喋る、携帯端末がインターネットの最も中心的な機器になると読んだのです。みなさんなりにいろいろな未来の成長戦略が描けるともいます。ソフトバンクでは3つ。「IoT」「AI」「スマートロボット」です。この戦略の一部を披露します。***ソフトバンクワールド2015孫正義社長、基調講演その1 「胸の中に秘める新たな武器があるか」その2 「3つの成長戦略…IoT、AI、スマートロボット」その3 「2018年前後にシンギュラリティは訪れる」その4 「車が走るロボットになる日」その5 「鉄腕アトムに心をプレゼントしたい」