【ジャガー XF Rスポーツ 試乗】新型購入を躊躇するほどの完成度…山崎元裕

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ジャガー XF Rスポーツ
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2008年から日本市場でのセールスが行われている、現行ジャガー『XF』のファイナルモデルともいえる「XF Rスポーツ」が、100台の限定車として販売されている。

かつてはまもなくニューモデルが登場すると聞けば、個人的には現行型への興味など一気に失われてしまうのが、ジャガーというブランドの常だったのだが、最近では熟成が極まった最終期のモデルにも、特別な魅力を感じるようになった。それはメルセデスベンツに代表される、ドイツの高級車ブランドの事情にも似ている。

今回このXF Rスポーツに試乗してみて、改めてそう感じた。ジャガーの製品はここ最近で、現行型との別れを惜しみたくなるほどに、自動車という工業製品としての魅力を高めていたのだ。240psの最高出力を発揮する2リットルの直列4気筒ターボエンジンのパフォーマンスは、必要にして十分なものであることが確信できたし、ボディーやサスペンションの剛性感にも不満はない。

試乗車は、オプションの19インチ径タイヤを装着していたため、低速域ではややその乗り心地が硬めに感じられたが、スタンダードな18インチ径を選択すれば、乗り心地にはさらに落ち着きも出てくるだろう。

XF Rスポーツのコスト・パフォーマンスは非常に高い。ナビゲーションシステムの操作性やモニターサイズなど、装備面では確かに古さを感じさせる部分も見られたが、とはいえそれがプレミアム・サルーンとしての魅力を大きく損なうわけではない。最終型としての熟成ぶり、特別装備の充実、そして走り。それらを総合的に考えると、新型XFを購入するのは、まだまだ先の話でいいのではないか。ジャガーにとって、あるいはそれは望ましくない結論なのかもしれないが、それが今回の試乗を終えての、シンプルな感想だった。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
おすすめ度 :★★★★

山崎元裕|モーター・ジャーナリスト(日本自動車ジャーナリスト協会会員)
1963年新潟市生まれ、青山学院大学理工学部機械工学科卒業。少年期にスーパーカーブームの洗礼を受け、大学で機械工学を学ぶことを決意。自動車雑誌編集部を経て、モーター・ジャーナリストとして独立する。現在でも、最も熱くなれるのは、スーパーカー&プレミアムカーの世界。それらのニューモデルが誕生 するモーターショーという場所は、必ず自分自身で取材したいという徹底したポリシーを持つ。

《山崎 元裕》

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