【ホンダ シャトル 発売】フィット と決別した「ただのワゴンとは違う」デザイン

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  • エクステリアデザインを担当した本田技術研究所の渡邉貴幸さん

ホンダは15日、小型ステーションワゴン『シャトル』を発表した。小型ハッチバック『フィット』の派生モデルであり『フィットシャトル』の後継車にあたるが、「フィット」と決別した車名の通り、デザインでも大幅な差別化がおこなわれている。

商品づくりにあたっては、従来のフィットシャトルユーザーの声を集め、新型に求められているものが何かを徹底的に検証した。そこでわかったのは、クルマの使い方だけでなく、ユーザーの価値観そのものがフィットとは大きく異なっていたことだったという。だからこそ、デザインの上でも「シャトルとしての独自性があるものを創る」ことが開発当初からの命題だった。

「ソリッド・ウイング・フェイス」と呼ばれる、ホンダ車に共通するフロントマスクのイメージや、サイドパネルのプレスラインなどにフィットファミリーとの関連性を感じることができるが、「今の」ホンダデザインとしてのアイコンだけでなく、より長いスパンで上質さや大胆さ、先進性を感じてもらえるようなエクステリアをめざした。

エクステリアデザインを担当した本田技術研究所の渡邉貴幸さんは、「ステーションワゴンとして、荷室の存在、容量が大きいという価値は当然ですが、デザイン上ではそれを感じさせないようなものを実現したかった」と語る。そのデザインコンセプトは「スタイリッシュ・ユーティリティ・ブレーク」。力強く、存在感がありながら、スリーク(なめらか、スマート)であることを実現したという。

それを表現するのが、サイドウインドウとルーフのラインだ。前方は上下に広く、後方に行くにしたがって狭く絞られ、リアウインドウでそのラインが一気に解放されるようなデザインとしている。「居住空間と荷室をさりげなく分けるようなデザインとしています。ただのワゴンとは違う、ということをウインドウのグラフィックスで表現したのです」(渡邉さん)。これにより、従来とは大きく変わったリアデザインをより強調することにも成功している。

ボディサイズは全長4400×全幅1695×全高1545mm(ハイブリッド・FF)。ステーションワゴンとしては腰高で、かつ前後は切り詰められている。しかし、ボディ下部のプレスラインで力強さと安定感を、ボディ上部のウインドウ・グラフィックスでのびやかさを表現することで「決して薄いクルマではないが、全体としてスリークなデザインを実現」している。この発想そのものは、現在のホンダ車デザインに共通した考え方なのだとか。

「もともとフィットシャトルは、5ナンバーサイズのコンパクトさがユーザーの皆様からの評価ポイントでもありました。だから、これは絶対にキープする必要がありました。そこにスタイリッシュさを加えていくという手法です。この点は始めからブレずに取り組んできました」

「どうしても我々デザイナーは、カッコ良くしようと思うと全長を長く、全幅も1800mmは欲しくなってしまいます(笑)。そこを、とにかくしっかりお客様が求める価値、サイズを守ってデザインしました。そうしたことで、凝縮感や上質感が生まれて、かえって良かったのではないかと思っています」(渡邉さん)

《宮崎壮人》

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