【インタビュー】整備で、“いいお店だ”と思われたい…中京/愛知クライスラー 福田鐘治朗専務

自動車 ビジネス
中京クライスラー/愛知クライスラー専務取締役の福田鐘治朗氏
  • 中京クライスラー/愛知クライスラー専務取締役の福田鐘治朗氏
  • クライスラー/ジープ三重
  • ショールーム玄関の正面に配置されたワークショップ
  • 中京クライスラー/愛知クライスラー専務取締役の福田鐘治朗氏
  • クライスラー/ジープ三重
  • クライスラー/ジープ三重
  • クライスラー/ジープ三重
  • クライスラー/ジープ三重

「クライスラー三重/ジープ三重」が5月9日、新規オープンした。同店を含めて8拠点を運営する中京/愛知クライスラーの福田鐘治朗(ふくた しょうじろう)専務に、同社の経営方針やクライスラー/ジープの“売り方”を聞いた。

----:国内で最も販売台数が多い販社だとお聞きしました。これまでの経緯を教えてください。

正規ディーラーとしては1996年に岐阜クライスラーとしてスタートしました。今残っているディーラーでは一番古いと思います。ジープについては、西武自動車が輸入代理店だった1993年から扱っています。

岐阜だけの頃は、やはり販売台数では人口の多い東京、大阪、名古屋に勝てない。だからCS(顧客満足度)で日本一を獲ろうと、一生懸命やりました。そのうち近隣の愛知県や三重県から、口コミでユーザーが来店するようになり、整備の仕事が増え始めました。そういった姿勢が、2001年の春日井店オープン、2005年の岡崎店オープン、2006年の愛知クライスラーのM&Aにつながったのです。

三重県にはしばらく、クライスラー/ジープの正規ディーラーがなかったのですが、こうして我々に声がかかったのも、やはり20年間にわたってメーカーと信頼できる関係を築いてきた事実があるからだと思います。

----:CSについての考え方や取り組みは。

実は三重店のオープンにあたって、僕自身は売れるかどうかとか、地域性といったものは全く考えていません。それよりも、この近隣にクライスラー/ジープにお乗りの方がいて、修理などで来店した時に「いいお店だね」と思っていただくことが何よりも重要なのです。

そして三重店が出来たことで、名古屋を中心に濃尾平野の全体をカバーできますから、ユーザーがどこへ行っても、僕らのお店できちんと整備できる。それが三重店を出店した一番のメリットです。企業メリット以前の話です。東海道の真ん中で、これだけ広いエリアを受け持つのは責任も大きいですが、ユーザーの安心感は増すのではないでしょうか。

ですから整備は重要です。だから三重店では整備工場を「見える化」しました。ショールーム玄関の正面に、ワークショップを配置して、自分のクルマがどう扱われるか、お客様の目に自然と入るようにしたのです。

今日はオープン初日ですが、クルマが一台も売れなくたっていいんです。僕は若い頃、野球をやっていたんですが、それに例えると一回から全イニング得点するなんて無理ですよ。それより僕は守り勝ちしたいんですね。走攻守そろって、守り勝ちする会社になりたいんです。お客様と共に、地に根を張ることが、私の考える経営方針です。

----:福田専務から見たクライスラー/ジープ車の魅力や“売り方”とは。

ハイブリッド車でもないし、電気自動車でもないし、エンジンをかけるとボォーと音がするクルマ。だからこそ、その良さを伝えるには、どうしたらいいのか。今のクライスラー/ジープは決して燃費は悪くないんですが、悪いと思われているからこそ、どういうセールス方法があるのか。そもそもジープというのは、何のために作られたクルマなのか。それを伝えるにはまず、お客様に乗ってもらおうと。エコは大切ですが、ジープに乗るということはそれだけではなく、あえて言えば「鼓動」でしょうね。そしてタフさ。それらと共に、野を越え山を越えていくのが、クルマならではの楽しみ、歓びですよ、という売り方です。

----:この秋にはコンパクトなジープ『レネゲード』も発売されます。

とても楽しみですね。でも販売面での成功はマーケティングにかかっていると思っています。日本という市場で、新型レネゲードに何が望まれるか。一つは手頃な価格、もう一つはイメージ、イメージとは主にカラーリングですね。つまりこれまでのジープのイメージを変えるような、女性客にアピールするポップで都会的なイメージが重要だと個人的には考えています。

だから、もしもメーカーが相変わらず荒れ地を走るようなテレビCMをやるようだったら、今回は独自でテレビ局にお願いして撮影までしようと(笑)、それくらいの覚悟です。今までお会いしていなかった新しいお客様が来店される可能性があるわけですから、とても期待しています。

《丹羽圭@DAYS》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集