【ホンダ ステップワゴン 試乗】新旧比較、乗り心地が明らかに違う!…青山尚暉

試乗記 国産車

ホンダ ステップワゴン 新型と旧型
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新型『ステップワゴン』にツインリンクもてぎ内の一般道、テストコースで試乗した。今回は先代「スパーダ」も持ち込み、新旧モデルの走りを比較してみた。

新型の走りにかかわるハイライトは1.5リットルのダウンサイジングターボエンジンの搭載、基準タイヤの16インチ化、そしてフロントがストラット、リアがトーションビームという形式こそ踏襲したものの、液封コンプライアンスブッシュ(リア)の採用、スパーダのハブスプリング(リア)の高剛性化などによる足回りの進化などである。

1.5リットルターボエンジンは150ps/5500rpm、20.7kgm/1600~5000rpm。先代2リットルNAエンジンは150ps/6200rpm、19.7kgm/4200rpm。最高出力は新旧同じだが、新型は発生回転数が低まっている。最大トルクに至っては1.0kgm増しでなおかつ幅広い回転域で発揮されるのが特徴だ。ちなみに車重は標準車のGグレード比で新型は50kg増しとなっている。

先代のユーザーが運転席に座ってまず感じるのは、メーターの見え方の違いだろう。先代は一般的なステアリング内側越しに見る1眼円形タイプだったものが、ステアリングの上越しに見るインパネ上段のデジタルメーターに。目からメーター盤面までの距離は相変わらず遠い!けれど、運転視界に対してより自然に、視線の移動量最小限で視認できるようになっている。

気になる動力性能差は、発進加速、平たん路では新旧互角。パワーは同じで新型のほうが重くなっているものの、そこはトルクに余裕があり(実際には1400rpm付近からトルクがわき上がる)、比較的立ち上がりの速いターボエンジンだけにまったく遜色(そんしょく)なし。

むしろ多人数乗車、登坂といったシーンでは先代よりアクセルペダルを踏まずともスルスルと加速し、登って行ける、2リットルエンジンをしのぐ実力の持ち主というわけだ。

新旧の乗り心地の違いは16インチタイヤを履く標準車だと特に分かりやすい。とにかく乗り心地が良くなった。先代15インチタイヤ装着車でも「ガツッ、ビシッ」というそれなりのショックを伴う段差越えのシーンでも、新型はボディー&足回り剛性の高さ、乗り心地方向に振ったサスペンションチューニングが光り、「タン、タン」とマイルドかつ軽快にいなしてくれるのだ。荒れた路面を含む車体上屋のフラット感も際立っていた。

操縦安定性は先代より全高25mm、重心が10mm上がっても、腰高感は皆無に近い。操縦安定性を重視して足回りを締め上げ、乗り心地が硬めだった先代同等の安心感あるロール感、フットワークテイストを示してくれるのだ。とにかく新型の16インチタイヤ装着車は曲がりやすく、カーブや山道も安心安全。パワステの戻し方向の自然なフィールも先代から改善されたポイントである。

もっとも、専用サスペンションがおごられ、唯一17インチタイヤを履く「スパーダ・クールスピリッツ」はたしかに背の高いミニバンとは思えないほどのスポーティーな操縦性の持ち主であり、乗り心地も標準車との差が縮まり、角の取れた快適感あるタッチになってはいるが、先代同様、段差越えでのショック、音、振動は消し去れていない。ファミリーカーとしてより優しい乗り心地を求めるなら、標準車、またはスパーダの新型の開発基準タイヤとなった16インチタイヤ装着車を薦める。

室内の静かさも高まっている。わくわくゲートの横開きサブドアの採用、テールゲート側からも人の乗降できるようになったことで実用性を増した3列目席と1列目席の会話明瞭(めいりょう)度も向上しているのだ。箱型ボディーにして意外や意外のセダン並みの空気抵抗値(『アコード』に匹敵?)、適切な遮音・吸音材も配置もさることながら、1.5リットルエンジンにして先代2リットルエンジンを下回る巡行時のエンジン回転数が功を奏している。例えばDレンジ100km/hのエンジン回転数は先代が約1950回転に対して新型は約1800回転。それ以外の速度域でも500~1000回転下げられているのだ。

走りの新旧比較をまとめると、「エンジンが1.5リットルになって大丈夫なのか?」、全高が高まり、わくわくゲートの採用などで車重が増しているけど加速力や安定性に影響はないのか?」という心配はまったく無用。その上で静粛性、燃費まで向上しているのだから言うことなしである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★
ペットフレンドリー度:★★★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車専門誌の編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に寄稿。自作測定器による1車30項目以上におよぶパッケージデータは膨大。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がけ、犬との自動車生活を提案するドッグライフプロデューサーの活動も行なっている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
《青山尚暉》

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