「著者がもっとも自然と思う長さ」で編集…「Kindle Singles」スタート

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「なるへそ」表紙
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 Amazon.co.jp(アマゾン)は28日、著者がもっとも適切と思う長さで書籍を出版できるサービス「Kindle Singles」を開始した。米ニューヨーク・タイムズ紙では「電子書籍リーダーを買うべき最大の理由」と評価されたサービスだという。

 従来の紙の出版物では、構造上・流通上の制限から、“1冊”のページ数はおおよそ決まっていた。そのため、加筆修正やページ削除を行ったり、複数短編を揃えて分量をまとめたりするといった作業が必要とされていた。

 「Kindle Singles」は、電子書籍の利点を活かし、そういった制約を取り払ったサービスだ。“著者がもっとも自然と思う長さ”で執筆作品が編集され、電子書籍として提供されるという。そのため、書籍は30~150ページといった程よいボリュームのページ数で出版される。価格も、一冊99円~399円と幅広いものとなっている。なお、Kindle Singlesに直接作品を提供した著者は、最大70%のロイヤルティーを受け取るとのこと。

 サービス開始時点では、池井戸潤氏のコミック・ミステリー「なるへそ」(43ページ、199円)、中田永一氏のライトノベル「ファイアスターター湯川さん」(112ページ、99円)、本谷有希子氏の短編「〈この街から〉」(31ページ、99円)、エリカ・ハヤサキ氏によるノンフィクション「コーンの流砂にのみ込まれて コーンの海で溺れた青年の記録」(160ページ、299円)、ミシュカ・シュバリー氏の自伝「ザ・ロングラン 人生を走り出す日まで」 (130ページ、199円)、ジェフ・ワイズ氏の調査レポート「旅客機はどこへ消えたのか マレーシア航空MH370便の行方」(150ページ、299円)などの作品がラインアップされている。今後は小説に加え、「ファイアスターター湯川さん」を原作とし、漫画家の児嶋都氏が作画を手掛けた同作品のコミック本の発売も予定されている。

 池井戸潤氏は「『なるへそ』は、以前小説誌に書いたきり、どこにも収録されず埋もれていた短編(私にしては珍しく、パロディ)です。今回それが、Kindle Singlesによって“発掘”され、こうして発表の場を得られたのは幸運なことだと思います」とのコメントを寄せている。

池井戸潤や本谷有希子の短編が“1冊”に……「Kindle Singles」スタート

《冨岡晶@RBB TODAY》

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