野党や人権団体が批判していた「1948年煽動法」の改正案が12時間以上に及ぶ討論の末、10日未明に可決された。
改正案の第1読会は7日に行われた。9日に行われた第2読会において討論が行われ、翌日の午前2時半に108人が賛成し可決された。野党議員79人が反対した。
「2015年煽動法」は、これまで初犯の場合は最高3年間の禁固刑または最高5,000リンギの罰金、再犯者には最高5年間の禁固刑が課されていたが、禁固期間が3-7年に変更され最低刑期が短縮された。傷害や器物破損を行った場合には、5-20年の禁固刑が課されることなどが新たに盛り込まれた。一方で、裁判官の裁量権は維持された。
煽動法は英国植民地時代にできた法律で、政府やスルタンなどの権力、マレーやイスラムなどの宗教に対する批判的な言論に対して度々適用され、言論封殺の道具として使用されてきたとの批判が多いため、政府は煽動法に代わる法律として国民和合法の成立に向けた準備を進めていると明らかにしていた。
民主行動党(DAP)のリム・グアンエン書記長(ペナン州首相)は討論中、ナジブ首相が煽動法を廃止することを約束していたとし、国民を裏切っていると批判。その他にも「2015年煽動法」に、大きな改正がされていないと指摘する声が出た。