2014年度の全国企業倒産、負債総額は25年ぶりの2兆円割れ…東京商工リサーチ調べ

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企業倒産年度推移
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東京商工リサーチが4月8日に発表した2014年度(2014年4月~2015年3月)の全国企業倒産状況によると、企業倒産(負債総額1000万円以上)は9543件、負債総額は1兆8686億0500万円だった。

倒産件数は、前年度比9.4%減(993件減)。年度としては6年連続で前年を下回り、1990年度(7157件)以来、24年ぶりに1万件を割り込んだ。要因としては、金融機関が中小企業のリスケ要請に応じていることや、消費税率引き上げに対応して景気対策として実施された公共事業の前倒し発注の効果などが挙げられる。

月次ベースでは、年度内に2014年12月(686件)と2015年2月(692件)の2回も700件を下回るなど倒産抑制が際立った。都道府県別では、前年度を下回ったのが31都道府県にのぼり全国的に倒産が減少した。

負債総額は、前年度比32.6%減(9063億8700万円減)。6年連続で前年度を下回り、1989年度(1兆1865億8000万円)以来、年度としては25年ぶりの2兆円割れになった。

負債100億円以上の大型倒産が9件(前年度21件)と大幅に減少したのに対し、負債1億円未満が6857件(構成比71.8%)を占めて小規模な企業倒産を中心に推移した。

産業別倒産件数は、10産業のうち農・林・漁・鉱業と不動産業を除く8産業で前年度を下回った。このうち不動産業が322件(前年度比2.5%増)で、年度としては6年ぶりに増加に転じ、消費税率引き上げ後の駆け込み需要の反動減の影響がうかがえる。また、農・林・漁・鉱業も95件(同10.4%増)で、3年ぶりに前年度を上回った。

一方、建設業は1872件(同17.8%減)で年度では6年連続で減少した。公共事業の前倒し執行などが影響し、1990年度(1579件)以来、24年ぶりに2000件を割り込んだ。また、小売業も1250件(前年度比9.4%減)で、年度では6年連続の減少になった。

地区別倒産件数は、9地区のうち四国を除く8地区で前年度を下回った。唯一増加した四国は207件(前年度比14.3%増)で、6年ぶりに前年度を上回った。

一方、関東が3636件(前年度比10.4%減)、中部が1196件(同17.9%減)でそれぞれ6年連続減少。近畿は2436件(同7.2%減)で5年連続減少した。九州は741件(同5.4%減)、中国444件(同7.5%減)、北海道291件(同12.6%減)でそれぞれ3年連続で前年度を下回った。また、北陸は241件(同12.6%減)で2年連続で減少し、東北が351件(同1.4%減)で再び減少に転じた。

《纐纈敏也@DAYS》

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