財務省傘下の投資会社1マレーシア・デベ ロップメント(1MDB)に対して不自然な金の流れを指摘する声が上がっていることを受け、 ナジブ・ラザク首相は4日、会計監査院に対して1MDBへの監査を実施するよう指示したと 発表した。
ナジブ首相は発表した声明で、会計監査員が作成した報告書は公会計委員会(PAC)に手渡 され、さらなる調査が実施されると明らかにした。PACは与党連合・国民戦線(BN)と野党 連合・人民同盟(PR)で構成されており、二大政党連携のパネルであるとし、もし不正行為 が発覚すれば、例外なく法的手段に出ると述べた。
1MDB は2009 年に設立されたトレンガヌ投資庁が前身で、トレンガヌ州で算出される石 油ロイヤルティの投資が目的とされていた。ナジブ・ラザク首相が首相に就任した後名称を 1MDB に変更した。1MDB の負債総額は 419 億リンギとなっており、増加傾向にある。
返済が滞っていた20億リンギのブリッジ・ローンを返済したと2月に明らかにしたが、調 達方法が明らかになっていないことから明確にすべきとの声が上がっていた。
1MDBと同社の会計監査を行うデロイトは同日、下院議会に呼ばれ、首相府省などの官庁、 ムヒディン・ヤシン副首相などから現在の状況などに関する質疑を受けた。1MDBのアルル・ カンダ・カンダサミー最高経営責任者は、現状は大変厳しい状態だが、乗り越えられないわ けではないと説明した上で、今後の計画についても説明したという。