【デトロイトモーターショー15】自動車産業革命か、3Dプリンターで ACコブラ…シャシーは“ワンピース”

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一見コブラのレプリカ。実は3Dプリンタで制作したモデル
  • 一見コブラのレプリカ。実は3Dプリンタで制作したモデル
  • シャシーはご覧のようにスチールの補強と3Dプリンタで作り上げた樹脂の合成。
  • ボディはこのように作られている
  • 3Dプリンテッドカー
  • 3Dプリンテッドカー

オークリッジ ナショナルラボラトリーは、政府の援助を得て色々な研究を推し進める機関。そこがデトロイトショーに、とあるクルマを展示した。

一見それはちょっと小さめの「ACコブラレプリカ」に見える。しかしこのクルマ、そのシャシーとボディを何と3Dプリンターで完成させたモデルなのだ。

ボディは全体を8分割して3Dプリンターで作り上げる一方で、シャシーの方は何とワンピースだという。因みにボディはABS樹脂に15~20%補強のためのカーボンファイバーを混ぜているそうだ。シャシーの方も同様で、こちらを作るための3Dプリンターのサイズは20×8×6フィートという巨大なものである。因みに動力源は135hpの電気モーター。車重1400ポンドで0-60マイル加速を机上の計算では4秒。航続距離はおよそ30マイルで最高速85マイルが出る。

もちろん、クルマをまだ量産できるレベルではない。今回のディスプレイはあくまでもそれが可能であることを証明するためのデモンストレーションだという。ただ、クルマではなくて、ものがパーツであった場合は量産できるそうだ。そして極めて重要なことは、従来の手法に対してコストと時間を大幅に短縮、圧縮できることだという。例えば工場で生産するのに1か月かかっていたものが、3Dプリンターなら2日で出来てしまい、コストで言うと10万ドルかかっていたものは僅か1000ドルで出来てしまうという。

まさに夢のような話だが、本格的に3Dプリンターが実用化できるようになると、こうしたことが可能になるようだ。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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