【レクサス RC F 試乗】本物感のある乗り味、だが派手さに欠ける…諸星陽一

試乗記 国産車
レクサス RC FとRC350
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レクサスのスポーツマインドをけん引するモデルとして登場したのが『RC F』。標準タイプが953万円、試乗したカーボンエクステリアパッケージは1030万円のプライス。

もちろんベースはRCで、そこに477馬力の5リットルエンジンを搭載したというのがRC Fだ。いわば、かつてのスカイラインGT-RやBMWのMシリーズ、アウディのSシリーズ、ベンツのAMGシリーズなどと同じ手法で作り上げられたと言ってもいいだろう。

大パワーエンジンの搭載にともなって、ボディ剛性の向上はもとより、トルクベクタリングデフや大径ブレーキ、上下Gセンサー付きABSの採用など、シャシーまわりも大幅なポテンシャルアップが行われている。もちろんエクステリアも専用のもので、派手めのスタイリングを実現している。

走らせるとこれがすごい。500馬力に迫るパワーのFRモデルなのだから、おもしろくないわけがない。今ほど安全デバイスが確立されていなかった15年ほど前なら、確実に乗り手を選ぶタイプのクルマになるはずだが、現代では誰もがドライブできるクルマに仕上げられている。圧倒的なトルクでリヤタイヤを駆動しつつ、フロントタイヤでクルマの動きをコントロールする感覚は、まさにスポーツドライビングそのもの。

そうしたなか、世界初で採用されたトルクベクタリングデフが走りをさらに鋭いものにしている。詳しい作動原理は省略するが、トルクベクタリングデフはスタンダード、スラローム、サーキットの3モードが選べる。このうちスラロームを選ぶと、まさにジムカーナ車のようなクイックなハンドリングとなる。

そして、シフトパターンやレスポンスを向上するドライブモードセレクトはエコ、ノーマル、スポーツ、スポーツS+のなかから、もっともスポーティなスポーツS+を選べば、今までの国産車では味わうことがなかったエキサイティングなドライブフィールを楽しめる。しかも、クルマの持っているポテンシャルの最後の分を残し、安全な走りを実現しているのだ。

残念なのは1000万円に迫る価格(カーボンエクステリアパッケージはオーバー)でありながら、エクステリア面での派手さが少ないこと。単体でみれば決して地味なクルマではないのだが、RCと並べるとあまり違いを感じない。それをよしとする考え方もあるだろうが、やはりもっともっとスゴイ感がほしい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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