ホンダから発売された5ナンバーサイズのコンパクトセダン、『グレイス』のインテリアは先進感や高品質感、そしてホンダならではのスポーティなコクピットをデザインしたという。
そう話すのは、本田技術研究所四輪R&Dセンターデザイン室1スタジオの村山亘さん。「先進感や高品質感と、セダンならではの心地よさを兼ね備えた、ホンダならではのスポーティなコクピットをデザインした」と説明。
そのスポーティさについて村山さんは、「我々は『アコード』や『レジェンド』のプアマンズカーを作るつもりはなかった。このセグメントのユーザーは、若々しく元気に見られることを好む傾向があるので、その気持ちをスポーティさで表現した。具体的には、計器類がドライバー側に向くなどで、スポーティさを表現している」と話す。
また、グレイスのインテリアはどのシートに座っても心地よさが感じられるようにデザインされている。まずドライバーは前述のように「質感の高い計器類が自分側に向いていることで、操作する喜びや保有する喜びを感じて、高揚してもらうようにデザインにしている」と村山さん。
助手席側では、「目の前には柔らかいソフトパットが付いているほか、自分を包み込んでくれるようなデザインを取り入れることで、心地よさが感じられるだろう」という。
そして後席では、「このクルマが持っている優れた“タンデムディスタンス”をより心地よく味わってもらうために、ドアの内張りやシートのサイド部分など、手の触れるところに柔らかい素材を採用して、心地よさを感じてもらえるようにしている」と述べる。
さらに、「このクラスではあまり見られな、リアのエアコンアウトレットを採用したほか、シートバックにスマートフォンを入れられるようなポケットを用意するなど、おもてなしの雰囲気を表現した」。つまり、「いずれのシートも、色々な喜びや価値が違うが、それを1台の中で凝縮したのが、このクルマの狙いだった」と語った。