帝人は11月11日、燃料電池の低コスト化などに貢献する、白金を使わないカーボンアロイ触媒(CAC)を開発したと発表した。
燃料電池の触媒には多量の白金が必要となるが、白金は高価かつ特定地域に偏在する資源であることから、燃料電池の普及には、安価で容易に調達できる白金代替触媒の開発が大きな影響を与えるという。
今回開発したCACは、炭素繊維の原料でもあるPAN(ポリアクリロニトリル)と鉄を原料とする非白金触媒。PANは白金に比べ、安価かつ容易に調達できるため、触媒の大幅なコストダウンや量産化促進が期待できる。
また、同社の高分子技術および炭素化技術の活用により、触媒粒子を微細化することで優れた活性を示し、CACを触媒として使用した燃料電池は、非白金触媒として世界トップレベルの発電性能を発揮する。
帝人では今後、CACの高性能化や耐久性向上を図るとともに、燃料電池として実用に耐え得る特性の発現に注力し、2025年までの実用化を目指す。