【マツダ魂動デザインへの道】実車と誤差0.1mmのクレイモデルを作成する意味

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クレイモデラーによる切削作業
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近年、“魂動デザイン”を採用しているマツダデザインは、クレイと呼ばれる粘土を用いて立体的に造形するクレイモデラーが、通常のデザインの前に、形容詞などの言葉を三次元で表現したオブジェを作成することからスタートする。

マツダデザイン本部デザインモデリングスタジオ部長の呉羽博史さんによると、「クレイモデラーは、デザイン専門学校のデザイナーコースやモデラーコースなどから入社してくることが多い。ただし、学校で習う仕事は粘土を削ったり盛ったりするところまでだ」と話す。そこで、「マツダの場合は、入社全員にどのように形を“創って”いくかという哲学を教えていく“道場”がある」という。

呉羽さんはデザイナーとモデラーの違いについて、「ものすごく乱暴にいうと、デザイナーはとにかく新しいものを発想して絵にする。モデラーはどんなに新しい絵だったとしても、それをパッと見てマツダのクルマだと思わせる“マツダネス”のフォルムを創りあげていくという違いがある」と述べる。つまり道場にてマツダネスというものを叩き込まれるのだ。

因みにマツダのデザインの特徴について呉羽さんは、「例えばそれぞれの面を貼り合わせるようなものではなく、内面的なエネルギーや力をひとつの曲面に創っていくような世界だ」と話す。

こういったマツダネスを創りあげるために、モデルを作成する際に用いるクレイと呼ばれる粘土も特別だ。「マツダのクレイモデルと実車との誤差は0.1mm以内が許容範囲だ。実は他の自動車メーカーは1mmから5mmほど差がある」と呉羽さん。

その理由は、「クレイモデルは収縮をするのだ。そうなると1mmから2mmは平気で形が変わるので、そのモデルを計測して鉄板に置き換えて、実車を作ってもナンセンスだ。我々が0.1mmまで作り込めるのはそれに応じた全く収縮性のないクレイを開発して作っているから可能なのだ」と説明。

「つまり、0.3mmとか0.5mmはシャープペンシルの芯の細さ。それよりも誤差なく作り込んでいるのだ。モデラーにここまで作り込むという意識がないと、形も変わってしまうし、何よりも志が落ちてしまう」と語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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