図研エルミックは、ルネサスエレクトロニクスと自動車用Ethernet(イーサネット) AVB通信を実現するためのミドルウェアを共同開発し、2014年度中に提供開始すると発表した。
Ethernet AVBは、IEEE802のLAN上でオーディオ信号やビデオ信号のようにタイミングの制約が厳しい信号の送受信を行うために、IEEEで標準化された通信ネットワーク技術。
自動車に応用した場合は車内の前後、左右にとりつけられたスピーカーやモニター、カメラで、音楽やビデオ、カメラ映像などを送受信するネットワークをEthernet AVBに集約できる。自動車の配線をシンプルにすることに加え、時刻同期機能や、通信帯域予約機能で遅延を抑え、高品質な視聴環境を実現する。
車載ネットワークの高速大容量化が今後ますます進むことを背景に、主要自動車メーカーによるEthernet採用の検討が本格化している。車載機器に特化した閉じた通信方式ではなく、Ethernetというオープンな環境を使うことで、後外部の機器やサービスとの連携も図れる。
Ethernet AVB技術の製品化では、Ethernet AVBを搭載した車載情報機器向けのSoCの開発を含め、早くからEthernet AVBに取り組んでいるルネサスと共同開発することで、質の良いミドルウェアをより早く市場に展開する。
最初のリリースでは、ルネサスのARM Coretex-A9搭載ハイエンドマイコン「RZ/A1」をターゲットとする。今後発売されるEthernet AVBミドルウェア製品はOS/CPU非依存だが、マイコンベンダーとの協調により、ユーザーの製品化するための効率や実用性の向上を図る。