太陽光発電に関する総合展示会「PVJapan2014」に世界最軽量のCIS薄膜太陽電池を出展したのが昭和シェル石油の子会社、ソーラーフロンティアだ。その厚さは約6.5mmと薄く、屋根や建物への負担を大幅に軽減した。
昭和シェル石油の太陽電池に関する歴史は古く、1978年にその研究開発が始まった。そして93年にCISの研究開発をNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)と共同で開始。CISとは銅(Copper)、インジウム(Indium)、セレン(Selenium)を使用した太陽電池で化合物系太陽電池と呼ばれている。
2005年にCISの事業化を決定し、翌年子会社、昭和シェルソーラー(前身)を設立した。そんな歴史を持つ同社が技術の粋を集めて開発したのが、今回展示した厚さ約6.5mmのCIS薄膜太陽電池だ。
しかし、太陽電池市場は結晶シリコン系が圧倒的に強く、化合物系のシェアは低い。そのため、化合系のトップメーカーであるソーラーフロンティアはなんとかその牙城をこの製品で崩そうと考えている。
「CIS太陽電池は結晶シリコン系に比べて温度係数が少ないため、高温時の出力ロスを低く抑えられます。また、モジュールの一部に影ができると、結晶シリコン系の場合、モジュール全体の発電能力が大きく低下しますが、CIS太陽電池なら安定した発電能力を発揮できます」と同社関係者はCIS太陽電池の良さを熱心にPRしていた。