リヒテンシュタインの新興メーカー、先進の燃料電池リムジンを公道テストへ

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ナンバープレートを取得し、ドイツおよび欧州の公道で走行試験を開始するクワントeスポーツリムジン
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  • ナノフローセル クワントeスポーツリムジン(ジュネーブモーターショー14)
  • ナノフローセル クワントeスポーツリムジン(ジュネーブモーターショー14)

リヒテンシュタインのナノフローセル(nanoFLOWCELL)社は7月22日、コンセプトカーの『クワントeスポーツリムジン』がナンバープレートを取得し、ドイツおよび欧州の公道で走行試験を開始すると発表した。

クワントeスポーツリムジンは2014年3月、ジュネーブモーターショー14で初公開。ナノフローセル社は、リヒテンシュタインに本拠を置く新興企業。クワントeスポーツリムジンは、同社のヌンツィオ・ラ・ベキア氏が中心になって、開発が進められた特別な研究開発車両。その開発には、ドイツの自動車部品大手、ボッシュも参画している。

クワントeスポーツリムジンは、全長5250mmを超える大型の4シータースポーツカー。ボディはカーボンモノコック構造。4シーターでありながら、ガルウィング方式のドアが特徴。パワートレインは、会社名にちなんで、「ナノフローセル」と命名。ボッシュの子会社、ボッシュエンジニアリングと共同開発した全く新しいエネルギー貯蔵システムを採用した。

ナノフローセルとは、電気化学式の蓄電池と燃料電池の特徴をひとつにまとめたもの。2個のタンクに液体電解質を内蔵し、電池の中で循環させる。ナノフローセル社によると、システム中心部では皮膜が2つの電解液を隔てているが、電荷は透過できるため、ドライブトレインの電力を発生できるという。また、現在主流のリチウムイオンに比べ、重量あたり5倍の性能を発揮できるのも特徴。

7月22日、ナノフローセル社は、クワントeスポーツリムジンがナンバープレートを取得し、ドイツおよび欧州の公道で走行試験を開始すると発表。これは、ドイツ・ミュンヘンのTUV Sudが認可したもの。同社は今後、クワントeスポーツリムジンの市販に向けて、公道走行テストに取り組むとしている。

《森脇稔》

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